PAACニュース115号-骨盤の疲労骨折:評価と危険因子

2018/10/02

                                            Jeanne M.Lapp,D.C.著

                                               翻訳:栗原輝久


序論

目的:骨盤の疲労骨折の患者と臀部あるいは鼠径部に痛みのある患者の中での鑑別的な考察について議論する事。
特徴:42歳の女性は、ランニング後に痛みがあった。最初の骨盤のレントゲン像は陰性であった。そのごのレントゲン像で左恥骨下枝の疲労骨折が明らかになった。骨盤の疲労骨折は割合に稀で、全疲労骨折のⅠ~2%に過ぎないと思われる。
処置と効果:治療には素早く振幅の小さいカイロプラクティック・マニピュレーション、超音波、大腰筋と梨状筋のストレッチが含まれた。8週間後、患者の股関節痛は解消したので、治療は中止された。骨盤の骨折は時間と共に治癒するままにされた。1年後、その患者には骨折の遅延癒合がみられた。
結論:骨粗鬆症、リウマチ性関節炎などのように骨盤の疲労骨折に罹患し易くなるような因子が存在する時には、鼠径部や臀部の痛みのある患者に関しては骨盤の疲労骨折を疑うべきである。しかし骨盤の疲労骨折は、割合に稀なので、しばしばレントゲン検査が後回しにされ、診断が困難になる。(J Manipulative Physiol Ther 2000:23:52-5)
鍵となる言葉:危険因子:骨盤の痛み:放射線学:骨折(以下省略)

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