• トップ
  • 院長ブログ
  • PAACニュース118号-自律神経系の活動と心血管系に関する脊柱マニピュレーションの効果

PAACニュース118号-自律神経系の活動と心血管系に関する脊柱マニピュレーションの効果

2018/10/03

               心電図と同脈圧測定を用いた症例研究

                                 M.Darcy Driscoll,D.C.、Mary J.Hall,D.C.著

                                              翻訳:栗原輝久

摘要
目的:カイロプラクティック手技療法(chiropractic manupulative therapy:CMT)の後で、自律神経と心血管系における変化がみられるかどうかを決定する。目新しい方法では、血圧や圧脈の伝達時間といった自律神経系活動の変化を量的に徹底的に調べるのが常だった。今回の方法では、心電図と動脈圧測定装置を使った。
意図:今回の症例研究では、6週間以上に亘って(週に2回の来院)治療を受けた1人の被検者に関するものである。基線(未治療、2回の来院)と治療(10回の来院)段階の際に呼吸、心電図、左右の橈骨動脈の血圧が計測された。計測値は、休息期間の前(合計3回)と後(合計3回)(基線:未治療)、そしてCMTの前後に得られた。関節のキャビテーション(空洞化現象)を生じさせる素早く振幅の小さいCMTが行われた。
セッティング:この研究は、温度制御の研究施設であるパーカー大学の研究所で行われた。
主要な結果判定:フーリエ解析が心電図に関して行われ、休息時—再分布現象の時間が決定された。0.04から0.15までの低周波数出力のエネルギーと0.15から0.4Hzまでの高周波数出力のエネルギーは、それぞれ交感神経系と副交感神経系の活動を表している。主要な結果の計測値が交感神経と迷走神経の指標だった。これは低周波数出力から高周波数出力まdの割合によって決定された。動脈圧と心臓から橈骨動脈まで圧脈が伝わるまでの時間(圧脈の伝達時間)が調べられた。各変数に関して、(治療後3回の計測値の平均から治療前の計測値を引いた)差が計算された。
結果:初回のCMTの後では、治療と未治療との間の際は低周波数出力/高周波数出力(-2.804±1.273)と鄭州社数出力のエネルギー(-0.135±0.056)の両方で減少した。これらの所見は、副交感神経系が交感神経系よりも優勢である事を示唆している。3回、4回、6回、9回の治療後、治療と未治療の間の差は、低周波数出力/高周波数出力(それぞれ0.908±0.338、2.313±0.300、2.776±1.102、そして0.988±0.269)で増大した。そしてこれあ交感神経系が
副交感神経系よりも優勢である事を示唆している。更に、治療と未治療の圧脈の伝達時間の差は、4回目の治療(左ー13.52±ー3.70/1000秒:右—9.75±3.50/1000秒)と6回目の治療(左ー9.53±3.60/1000秒:右ー9.24±3.50/1000秒)の両方の後で減少した。これは動脈の柔軟性が減少した事を示唆している。更に6回の地老後、休息—再分布の間隔時間に関する治療と未治療の差は減少した(—0.084±0.014秒)。上記の治療の際の心臓収縮、心臓拡張、動脈圧の平均値に関する治療と未治療の際は重要ではないと考えた。
結論:この症例研究は、長期間に亘ってCMTの自律神経系と心臓血管系における効果を調査するために心電図と動脈圧測定を使おうとした最初のものである。これらの装置によってCMTに関連する心臓血管と自律神経の変化に関する徹底的な研究が可能となった。自律神経の変化に関する変化は検出可能だったけれども、これらの系におけるCMTの効果を正当と認める前に、実験に基づいた信頼すべき再現性のある規約に関して更なる発展が望まれる。(J Manipulative Physiol Ther 2000:23:545-50)
鍵となる言葉:カイロプラクティック:自律神経系:心電図:血圧

PAGE TOP