PAACニュース142号:核磁気共鳴画像の偽陰性の結果:2つの症例報告

2018/10/16

                    Michael Schneider,DC、Stevven Santolin,DC、Patrick Farrell,DC 著

                                               訳:栗原輝久

概観
目的:今回の研究の目的は、巨大椎間板ヘルニアを核磁気共鳴画像(MRI)で発見できずに、偽陰性の結果へと繋がった2つの臨床例を提示し、MRIの欠点の可能性に関する幾つかの問題を考察する事である。
臨床的特徴:頸椎と腰椎のヘルニアを起こした髄核(HNP)について提示する。各々の患者には酷い疼痛と神経学的な欠損があった。彼らのMRI走査は陰性だったが、HNPを示唆するような陽性の身体検査所見がみられた。その後、両者は造影撮影(ミエログラフィー)とコンピューター断層撮影を受け、HNPであるという最終的な確定診断へと到達した。
治療と結果:手技や器具による牽引、手技授動法、筋膜解放テクニック、硬膜外ステロイド注射、ステロイド服用、鎮痛剤、リハビリテーション・エクササイズといった保存的治療では、この2人の患者に改善はみられなかった。最終的に、これらの患者には外科的減圧術が必要であった。
結論:巨大ヘルニアがあるこれらのケースにおける偽陰性というMRIの結果から、診断検査を指示する際の基礎として、既往歴聴取や身体検査所見の重要性が顕著となる。この論文の結論は簡単である。100%正確な単独の検査というものは存在しないのだ。偽陰性という検査結果によって、患者とドクターが誤った方向へ誘導されるかもしれない。(J Manipulative Physiol Ther 2005;28:278-284)
鍵となる言葉:脊柱:椎間板の変位:核磁気共鳴画像:断層撮影:コンピューター処理されたレントゲン像:カイロプラクティック (以下省略)

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