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PAACニュース148号:内側広筋:生体と屍体研究に基づく解剖学的、機能的考察
2018/10/18
Richard Lefebvre,PhD、Alain Leroux,PhD、Georges Poumarat,PhD、Bruno Galtier,MD、Michel Guillot,MD、
Guy Vanneuville,PhD、Jean P.Boucher,PhD 著
訳:栗原輝久
概観
目的:内側広筋(Vastus Medialis:VM)の電気生理学的、機能的な描写を行い、解剖学的な描写と比較する事。
方法:8人の被検者お利き足側の大腿四頭筋の表面部分にある全ての運動点を識別した。そして電気刺激を加えて軽度の収縮を生じさせて、線維の走行方向を追跡し、計測した。内側広筋の2つの運動点において、膝関節の最大伸展における等尺性収縮と等速性収縮の際の筋電図を記録した。独立検査機関は、39の屍体を解剖して内側広筋の線維の走行方向と末梢での停止について調べた。
結果:大腿四頭筋の5つの運動点に関する結果が明らかになった。1つは大腿直筋、他の3つは内側広筋についてのものだった。内側広筋の3つの運動点から、3つの線維群が分離された。中枢(pf)、中間(mf)、末梢(df)の線維群とした。内側広筋の中枢線維は45°の方向、中間線維の方向は55°だった。運動点への刺激と解剖によって、内側広筋の中枢線維と中間線維が大腿直筋と共通の腱に付着している事が明確に示された。その一方で、内側広筋の末梢線維は、膝蓋骨内側に直接付着している事が判った。更に膝関節の最大伸展位では、内側広筋の中枢線維や中間線維よりも末梢線維の方が活性的だった(P<.05)。
結論:解剖学、運動点、筋電図から、内側広筋の中枢線維と末梢線維の間に重大な違いがある事が明確に支持されている。内側広筋の機能の1つは、膝関節伸展に際しての大腿直筋の補助だが、内側広筋の末梢線維は膝関節の伸展には参加する事なく、膝蓋骨を内方へと引っ張っているのだろう。これらの解剖学的、機能的な違いのために、膝蓋大腿の機能障害のリハビリテーションに際しては、内側広筋の中枢線維と末梢線維とを明確に別々に取り扱うべきである。(J Manipulative Physiol Ther 2006;29:139-144)
鍵となる言葉:膝蓋大腿痛症候群:膝関節;解剖学:内側広筋 (以下省略)
Guy Vanneuville,PhD、Jean P.Boucher,PhD 著
訳:栗原輝久
概観
目的:内側広筋(Vastus Medialis:VM)の電気生理学的、機能的な描写を行い、解剖学的な描写と比較する事。
方法:8人の被検者お利き足側の大腿四頭筋の表面部分にある全ての運動点を識別した。そして電気刺激を加えて軽度の収縮を生じさせて、線維の走行方向を追跡し、計測した。内側広筋の2つの運動点において、膝関節の最大伸展における等尺性収縮と等速性収縮の際の筋電図を記録した。独立検査機関は、39の屍体を解剖して内側広筋の線維の走行方向と末梢での停止について調べた。
結果:大腿四頭筋の5つの運動点に関する結果が明らかになった。1つは大腿直筋、他の3つは内側広筋についてのものだった。内側広筋の3つの運動点から、3つの線維群が分離された。中枢(pf)、中間(mf)、末梢(df)の線維群とした。内側広筋の中枢線維は45°の方向、中間線維の方向は55°だった。運動点への刺激と解剖によって、内側広筋の中枢線維と中間線維が大腿直筋と共通の腱に付着している事が明確に示された。その一方で、内側広筋の末梢線維は、膝蓋骨内側に直接付着している事が判った。更に膝関節の最大伸展位では、内側広筋の中枢線維や中間線維よりも末梢線維の方が活性的だった(P<.05)。
結論:解剖学、運動点、筋電図から、内側広筋の中枢線維と末梢線維の間に重大な違いがある事が明確に支持されている。内側広筋の機能の1つは、膝関節伸展に際しての大腿直筋の補助だが、内側広筋の末梢線維は膝関節の伸展には参加する事なく、膝蓋骨を内方へと引っ張っているのだろう。これらの解剖学的、機能的な違いのために、膝蓋大腿の機能障害のリハビリテーションに際しては、内側広筋の中枢線維と末梢線維とを明確に別々に取り扱うべきである。(J Manipulative Physiol Ther 2006;29:139-144)
鍵となる言葉:膝蓋大腿痛症候群:膝関節;解剖学:内側広筋 (以下省略)