PAACニュース149号:原因不明の第1肋骨骨折:症例報告

2018/10/19

         Hang T.Nguyen,DC、Joel P.Carmichael,DC、J.Scott Bainbridge,MD、Craig Kozak,DC 著

                                             訳:栗原輝久
             

概観
目的:今回の研究の目的は、最初の治療には反応しなかったが、第1肋骨骨折が先進的な画像によって発見された患者の症例を詳述する事である。
臨床的特徴:24歳の男性電気技師が電動ドリルを頭上で使用していたところ、肩甲骨内方、上部胸椎、胸骨痛が生じた。しかしこの男性は他の点では健康だった。
治療と結果:脊柱マニピュレーションや電気治療といった初期治療では、この患者の症状は軽減しなかった。カイロプラクティック治療は中止され、先進的画像によって更なる診断検査が行われた。病態が確認されたので、直ちに患者は軽作業に就かされたが、頭上での作業は制限した。他の治療は行わなかった。この患者の症状は、疼痛発生から約10ヶ月後に消失した。
結論:脊柱や肩甲骨の疼痛を訴えている患者は、治療のためにカイロプラクターのもとを訪れる事が多いだろう。このようなタイプの症状が保存的治療に反応しない時は、他の原因を調べなければならない。今回の症例では、患者の症状は非外傷性の第1肋骨骨折によるものだった。上体の上1/4の領域には保存的治療に反応しない疼痛がある患者の鑑別診断の際には、第1肋骨骨折考慮すべきである。(J Manipulative Physiol Ther 2006;29:590-594)
鍵となる言葉:肋骨骨折:骨折:ストレス (以下省略)

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