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PAACニュース151号:肩痛のある患者の肩甲骨の位置の臨床的評価:最新技術
2018/10/21
Jo Njs,PhD,MSc,MT,PT、Nathalie Rousse,PT,MT、Filip Struyf,PT、Sarrah Mottram,MSc、
Romain Meeusen,PhD,PT 著
訳:栗原輝久
上肢の最良の機能のためにには、休止中、運動中、労働中に肩甲骨を適切な位置に保つ能力が欠かせない事は広く認識されている。肩甲骨は、胸郭と上腕骨の両方と最適な位置にあらねばならない。上腕骨との関係において、関節窩の適切な配置のためには、肩甲骨の最適な配置が必須である。この事によって、銃繰りに肩甲上腕関節の連続性と安定性が確かなものになっている。
肩甲骨と肩甲上腕関節の同時の働きは、肩甲上腕リズムと呼ばれている。本来の運動学的なリズムは、肩甲上腕関節の外転と肩甲骨の上方への回旋との間に存在する。de Grooot によると、肩甲上腕関節と肩甲骨との間の平均的な回旋の割合については様々な研究があって、2.3~3.6の幅がある。肩の外転の第一段階(60°未満あるいは40°外転)では、肩甲上腕関節と肩甲骨の回旋率は大きくなるという特徴がある。この際に肩甲骨は、関節窩と上腕骨の適切な配置のために僅かに動く。この第一段階は、"設定段階"と呼ばれていて、この際の肩甲骨の可動域への関与は非常に僅かで、健康な肩での肩甲上腕関節と肩甲骨の回旋率は2.4である。運動中の肩甲骨の位置の不正では、前方への傾斜、肩甲上腕関節の外転と肩甲骨の上方への回旋との間に異常な運動学上のリズムという特徴がみられる。
休止と機能的作業の両方の際に、肩甲骨の配置に最も関与するのは筋システムである。肩甲骨に関連する筋の働きに変化(筋への刺激発射の遅延、効率の悪い増強、緊張の増強とそれによる短縮)が生じると、肩甲骨の位置に異常が生じるだろう。肩甲骨の位置の不適切な制御は、しばしば肩と頸部の機能障害と結び付けられてきた。更に肩のインピンジメント症候群、肩の挟み込みの症状、非外傷性の肩の不安定性、多方向の肩の不安定性、癌による頸部切開後の頸部痛、のある患者における肩甲骨の位置異常の存在を立証する科学的な証拠が集められている。ある研究では、肩峰下インピンジメント症候群の患者について、(肩甲胸郭の筋を標的にした運動療法を主なものとする)物理療法の方が無治療よりも成績が良いことを示した。
Romain Meeusen,PhD,PT 著
訳:栗原輝久
上肢の最良の機能のためにには、休止中、運動中、労働中に肩甲骨を適切な位置に保つ能力が欠かせない事は広く認識されている。肩甲骨は、胸郭と上腕骨の両方と最適な位置にあらねばならない。上腕骨との関係において、関節窩の適切な配置のためには、肩甲骨の最適な配置が必須である。この事によって、銃繰りに肩甲上腕関節の連続性と安定性が確かなものになっている。
肩甲骨と肩甲上腕関節の同時の働きは、肩甲上腕リズムと呼ばれている。本来の運動学的なリズムは、肩甲上腕関節の外転と肩甲骨の上方への回旋との間に存在する。de Grooot によると、肩甲上腕関節と肩甲骨との間の平均的な回旋の割合については様々な研究があって、2.3~3.6の幅がある。肩の外転の第一段階(60°未満あるいは40°外転)では、肩甲上腕関節と肩甲骨の回旋率は大きくなるという特徴がある。この際に肩甲骨は、関節窩と上腕骨の適切な配置のために僅かに動く。この第一段階は、"設定段階"と呼ばれていて、この際の肩甲骨の可動域への関与は非常に僅かで、健康な肩での肩甲上腕関節と肩甲骨の回旋率は2.4である。運動中の肩甲骨の位置の不正では、前方への傾斜、肩甲上腕関節の外転と肩甲骨の上方への回旋との間に異常な運動学上のリズムという特徴がみられる。
休止と機能的作業の両方の際に、肩甲骨の配置に最も関与するのは筋システムである。肩甲骨に関連する筋の働きに変化(筋への刺激発射の遅延、効率の悪い増強、緊張の増強とそれによる短縮)が生じると、肩甲骨の位置に異常が生じるだろう。肩甲骨の位置の不適切な制御は、しばしば肩と頸部の機能障害と結び付けられてきた。更に肩のインピンジメント症候群、肩の挟み込みの症状、非外傷性の肩の不安定性、多方向の肩の不安定性、癌による頸部切開後の頸部痛、のある患者における肩甲骨の位置異常の存在を立証する科学的な証拠が集められている。ある研究では、肩峰下インピンジメント症候群の患者について、(肩甲胸郭の筋を標的にした運動療法を主なものとする)物理療法の方が無治療よりも成績が良いことを示した。