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PAACニュース156号:妊娠関連の骨盤帯痛:仙腸関節の左右非対称の動きを明らかにするための3つの検査に関する検者間の信頼性
2018/10/23
Anneke M.van Kessel-Cobelens,PT、Arianne P.Verhagen,PT,PhD、Jan M.Mens,MD,PhD
Chris J.Sniders,PhD、Bart W.Koes,PhD 著
訳:栗原輝久
概観
目的:妊娠に関連した骨盤帯痛(pelvic girdle pain:PGP)の際の仙腸関節の左右非対称を明らかにするために、幾つかの検査が開発されてきた。今回の盲目状態での対照試験では、骨盤帯痛の際に行われる3つの検査の検者間の信頼性を調査した。全ての検査は、それぞれ別々に2人の理学療法士によって行われ、それぞれの結果については知らされなかった。この3つの検査は、母指-後上腸骨棘けんさ、踵挙上検査(heel-bank test)、外転検査である。
結果:2人の検者間での一致レベルを明らかにするために、k値を計算した。(-0.22から0.83の範囲の)全体的なk値は0.30で、これは、一致性が低いとみなされた。検査/種類ごとの一致は、45~95%だった。
結論:妊娠に関連した骨盤帯痛の患者の仙腸関節の左右非対称を明らかにするために行った3つの検査に関する今回の研究では、検者間の信頼性が低いことが判った。(J Manipulative Physiol Ther 2008;31:130-136)
鍵となる言葉:骨盤:疼痛:仙腸関節:診断の技術と手順:結果の再現性:身体検査
図1.母指-後上腸骨棘(PSIS)検査。この目的は 図2.踵挙上検査。この検査の目的は、左右の仙腸関節
PSISの位置の左右非対称の存在の確認である。 の動きが等しいか否かを明らかにする事である。この
これは、2つの部分から成る。坐位と"クリック音" 検査での仮説は、一方の仙腸関節に機能異常があれば
を伴った動きである。坐位については、左右 異常な負荷伝達によって、膝を挙上する能力が減退する
のPSISの位置をお互いに水平線上で測定した。 だろうというもので、この制限を記録する。この検査で
被検者の開始肢位は、両腕を交叉させて、 の被検者の開始肢位は、母指-PSIS検査と全く同じで、
水平面上に坐って上体を能動的に直立させた 検者の肢位とハンド・ポジションも同じである。被検者
ものだった。検者はイスに坐って穏やかな圧 に両手を使わずに左膝を持ち上げて、踵をベンチの上に
で後上腸骨棘下端の位置を触診した(図1) 載せるように指示する(図2)。検者の母指はPSISの
水平線上でのPSISの相対的な位置を水平、 動きを追跡した。それから左下肢を開始肢位へと戻して、
左PSIS高位、右PSIS高位と記録した。 右下肢で同じ手順を行う。下肢を持ち上げる能力を5点制
下肢長の不均衡を排除するために、坐位を選択 で採点する。0=全く努力せずに挙上可能、1=僅かな努力
した。クリック音を伴った動きについては、 が必要、2=中程度の努力が必要、3=大きな努力が必要、
左右の仙腸関節の動きが等しいのか否かを検証 4=挙上不可能である。得点 0 は陰性で、得点1~4点は
するためのものだった。同様の開始肢位で被検者 陽性だとした。
は骨盤を能動的に動かした。先ず前方に、それから
後方へと回転させた(前彎から後彎へ)。
被検者は常に中間位から運動を開始し、できる
だけ前彎方向への運動を行って、その後、ゆっく
りと後彎方向への運動を行った。検者の両母指は
PSISの動きの軌跡を追跡した。この軌跡を通る
各々のPSISの速度は等しくなければならなかった。
我々は、両側の仙腸関節に機能異常(過小可動性、
あるいは過可動性)があると、左右のPSISは異な
ったスピードで動くという仮説を立てた。
図3.外転検査。この検査の目的は、左右の下肢の間での負荷
伝達に違いがあるか否かを明らかにする事である。
この検査は側臥位で行う。両股関節は屈曲±70°、両膝関節は
±90°にする(図3)。検者は、被検者の後方に立って、被検者
に上になった側の下肢を約20cm持ち上げて外転させるように
指示する。次に被検者は寝返りをして、他方を上にして同様の
手順を行う。この検査の仮説は、仙腸関節に機能異常があると
、被検者が仙腸関節を通した負荷伝達(荷重伝達)を伴った
下肢挙上能力に左右差を経験するだろうというものである。
下肢挙上能力を5点制で採点した:0=全く努力せずに外転可能
、1=僅かな努力が必要、2=中程度の努力が必要、3=大きな
努力が必要、4=外転不能である。得点0は陰性、1~4点は陽性
だとした。
(中略)
臨床への適用
・骨盤帯痛の可動性検査における全体的な信頼性は低い
・初期治療現場では、信頼性のある良質な調査を行う事が可能である。
・よく行われている診断検査については、頻繁に検証しなければならない。
(以下省略)
Chris J.Sniders,PhD、Bart W.Koes,PhD 著
訳:栗原輝久
概観
目的:妊娠に関連した骨盤帯痛(pelvic girdle pain:PGP)の際の仙腸関節の左右非対称を明らかにするために、幾つかの検査が開発されてきた。今回の盲目状態での対照試験では、骨盤帯痛の際に行われる3つの検査の検者間の信頼性を調査した。全ての検査は、それぞれ別々に2人の理学療法士によって行われ、それぞれの結果については知らされなかった。この3つの検査は、母指-後上腸骨棘けんさ、踵挙上検査(heel-bank test)、外転検査である。
結果:2人の検者間での一致レベルを明らかにするために、k値を計算した。(-0.22から0.83の範囲の)全体的なk値は0.30で、これは、一致性が低いとみなされた。検査/種類ごとの一致は、45~95%だった。
結論:妊娠に関連した骨盤帯痛の患者の仙腸関節の左右非対称を明らかにするために行った3つの検査に関する今回の研究では、検者間の信頼性が低いことが判った。(J Manipulative Physiol Ther 2008;31:130-136)
鍵となる言葉:骨盤:疼痛:仙腸関節:診断の技術と手順:結果の再現性:身体検査
図1.母指-後上腸骨棘(PSIS)検査。この目的は 図2.踵挙上検査。この検査の目的は、左右の仙腸関節
PSISの位置の左右非対称の存在の確認である。 の動きが等しいか否かを明らかにする事である。この
これは、2つの部分から成る。坐位と"クリック音" 検査での仮説は、一方の仙腸関節に機能異常があれば
を伴った動きである。坐位については、左右 異常な負荷伝達によって、膝を挙上する能力が減退する
のPSISの位置をお互いに水平線上で測定した。 だろうというもので、この制限を記録する。この検査で
被検者の開始肢位は、両腕を交叉させて、 の被検者の開始肢位は、母指-PSIS検査と全く同じで、
水平面上に坐って上体を能動的に直立させた 検者の肢位とハンド・ポジションも同じである。被検者
ものだった。検者はイスに坐って穏やかな圧 に両手を使わずに左膝を持ち上げて、踵をベンチの上に
で後上腸骨棘下端の位置を触診した(図1) 載せるように指示する(図2)。検者の母指はPSISの
水平線上でのPSISの相対的な位置を水平、 動きを追跡した。それから左下肢を開始肢位へと戻して、
左PSIS高位、右PSIS高位と記録した。 右下肢で同じ手順を行う。下肢を持ち上げる能力を5点制
下肢長の不均衡を排除するために、坐位を選択 で採点する。0=全く努力せずに挙上可能、1=僅かな努力
した。クリック音を伴った動きについては、 が必要、2=中程度の努力が必要、3=大きな努力が必要、
左右の仙腸関節の動きが等しいのか否かを検証 4=挙上不可能である。得点 0 は陰性で、得点1~4点は
するためのものだった。同様の開始肢位で被検者 陽性だとした。
は骨盤を能動的に動かした。先ず前方に、それから
後方へと回転させた(前彎から後彎へ)。
被検者は常に中間位から運動を開始し、できる
だけ前彎方向への運動を行って、その後、ゆっく
りと後彎方向への運動を行った。検者の両母指は
PSISの動きの軌跡を追跡した。この軌跡を通る
各々のPSISの速度は等しくなければならなかった。
我々は、両側の仙腸関節に機能異常(過小可動性、
あるいは過可動性)があると、左右のPSISは異な
ったスピードで動くという仮説を立てた。
図3.外転検査。この検査の目的は、左右の下肢の間での負荷
伝達に違いがあるか否かを明らかにする事である。
この検査は側臥位で行う。両股関節は屈曲±70°、両膝関節は
±90°にする(図3)。検者は、被検者の後方に立って、被検者
に上になった側の下肢を約20cm持ち上げて外転させるように
指示する。次に被検者は寝返りをして、他方を上にして同様の
手順を行う。この検査の仮説は、仙腸関節に機能異常があると
、被検者が仙腸関節を通した負荷伝達(荷重伝達)を伴った
下肢挙上能力に左右差を経験するだろうというものである。
下肢挙上能力を5点制で採点した:0=全く努力せずに外転可能
、1=僅かな努力が必要、2=中程度の努力が必要、3=大きな
努力が必要、4=外転不能である。得点0は陰性、1~4点は陽性
だとした。
(中略)
臨床への適用
・骨盤帯痛の可動性検査における全体的な信頼性は低い
・初期治療現場では、信頼性のある良質な調査を行う事が可能である。
・よく行われている診断検査については、頻繁に検証しなければならない。
(以下省略)