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PAACニュース156号:妊娠に関連した腰痛のカイロプラクティック治療:証拠の系統的再検討

2018/10/24

                            Kent J.Stuber,DC,MSc、Dean L. Smith,DC,PhD 著

                                              訳:栗原輝久

概観
目的:今回の研究では、妊娠に関連した腰痛(low back pain:LBP)のための脊椎マニピュレーションを含んだカイロプラクティック治療に関して発表された証拠を系統的に再検討した。
方法:参考文献や機関紙を手ずから調査すると共に、多角的なデータベース検索を含んだ多様な検索手順を実行した。調査は、英語で発表されたもので、1982年の1月から2007年の7月までに始められた論文審査のある機関紙、あるいは会議のものに限定した。全ての研究デザインは、単独の症例報告、身の上話、質的デザインを除くものとされた。検索された論文の中で採用基準に適合したものを、妥当性があり信頼性の高いチェックリストを使ってその特性を評価した。
結果:6つの研究が今回の採用基準に適合した。1つは準実験計画法による単独グループ予備テスト・事後テスト・デザインの形式で、4つが症例シリーズで、1つが断面分析だった。それらの特性の点数は27点中で5~14点だった。採用した全ての研究は、妊娠中の腰痛に対するカイロプラクティック治療について肯定的な結果を報告していた。研究間での結果判定法は、患者、治療、治療計画に関する記述のように一貫性が無かった。
結論:採用した6つの研究の結果から、カイロプラクティック治療は妊娠関連の腰痛の改善と関連しているという事が明らかとなった。しかし全ての研究では無作為化と対照群の両方が欠如していたので、採用した研究の低・中程度の質のために、そのような治療の有効性に関して幾らかの最終的な発言が排除された。妊娠中のカイロプラクティック治療が相対的に広く採用されている事を考えると、その有効性を明らかにするためには、質の高い客観的な研究と対照群が必要である。(J.Manipulative Physiol Ther 2008;31:447-454)
鍵となる言葉:妊娠:カイロプラクティック:マニピュレーション:脊椎:腰痛:公衆衛生 (以下省略)

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