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PAACニュース164号:健康被検者の圧痛感度と能動的開口に対するハムストリング筋のストレッチの即効性

2018/10/31

             Cristina Bretischwerdt,DO、Luis Rivas-Cano,DO、Luis Palomeque-Cerro,DO、
               Cesar Femandez-de-las-Penas,do,PhD、Francisco Alburquerque-Sendin,DO,PhD 著

                                               訳:栗原輝久

概観
目的:今回の研究は、健康な被検者の咬筋と上部僧帽筋の圧痛感覚、最大能動的開口に対するハムストリング筋のストレッチの即効性について分析した。
方法:22~47歳で男性70人、女性50人の120人のボランティアを無作為に3つのグループに分けた:グループ 1(対照群)は全く治療を受けなかった。グループ 2 は片側のハムストリング筋のストレッチを受けた。グループの割り当てについて知らされていない査定者は、術前と術後 5 分の両側の咬筋と上部僧帽筋の圧痛閾値(Pressure Pain Thresholds:PPTs)を評価した。最大開口についても、術前と術後 5 分での評価を行った。分散の混合モデル分析(mixed-model analysis of variance:ANOVA)を行って、治療の効果を検証した。主要な分析は、グループ × 時間の相互作用だった。
結果:分散の混合モデル分布(ANOVA)によって、上部僧帽筋(検定統計量 F=4.5;有意確率 P値=.01)と咬筋(F=6.3;P=.002)の圧痛閾値(PPTs)の変化に関するグループ × 時間の有意な相互作用が明らかとなった。術前・術後のエフェクトサイズは、両方のストレッチ・グループでは中程度(0.5>d>0.7)で、対照群ではマイナス(d<-0.2)だった。最大開口に関する有意なグループ × 時間の相互作用についても明らかになった(F=8.15;P<.001;対照群と比較すると、両者の試験グループには大きな改善が見られた(P<.001)術前術後のエフェクトサイズは、両方のストレッチ・グループでは大きく(d>0.7)で、対照群ではマイナス(-0.2)だった。
結論:健康な被検者のハムストリング筋組織のストレッチを行う事で、咬筋と上部僧帽筋の両方の圧痛閾値(PPTs)を即座に増大した。(J Manipulative Physiol Ther 2010;33:42-47)
鍵となる言葉:疼痛閾値:頸部筋:咬筋:筋のストレッチ・エクササイズ

    
 図1.圧痛閾値の評価(僧帽筋と咬筋)           図2.ハムストリング筋のストレッチ

                           (中略)

 臨床的適用
 ●健康な被検者のハムストリング筋のストレッチを行う事で、咬筋や上部僧帽筋の圧痛閾値の即座の増大がみられる
  る。
 ●ハムストリング筋のストレッチを行う事で、プラシーボと比較すると大きなエフェクト・サイズでの能動的開口の
  増大もみられる。
 ●ハムストリング筋のストレッチによって、遠心性抑制経路も活性化するだろうと言えるだろう。

 (以下省略)

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