PAACニュース167号:環椎の形態学的左右非対称と臨床上の意義

2018/11/07

          Jiao Pei-Feng,MD、Wu Li-Ping,MD、Fan Ji-Hong,MD、Li Yi-Kai,PhD、Das Manas,MD 著

                                              訳:栗原輝久

概観
目的:今回の研究の狙いは、健康被検者のコンピューター断層撮影(CTスキャン)による脊椎データに基づいた3次元のコンピューター・モデルを使って、逸脱の頻度から、成人環椎の左右非対称を詳細に調べる事である。
方法:頸椎のCTスキャン・データから、60例の成人環椎のコンピューター・モデルを再現した。3次元ソフトウェアを使って、形態学的な左右非対称を詳しく調べ、測定した。椎骨動脈溝の形態学上の左右非対称を観察し、横突起先端と後結節や前結節とを結んだラインの間の角度を測定した。左右の後弓の長さを測定し、値の差を分類した。
結果:我々は、左右非対称の椎骨動脈溝のある7人の患者(11.67%)を観察した。4つの異なる区分があった:孔の形状、半分に割った孔の形状、深い溝、浅い溝である。左右非対称は、両側で異なる症状というものだった。前結節と後結節の先端を結ぶラインに関連して、横突起と後弓の長さの左右非対称の頻度は、それぞれ6.67%と16.67%だった。
結論:今回の研究の標本については、環椎の形態学上のバラツキは一般的なものだった。臨床現場での触診、診断画像、脊椎マニピュレーションを含んだ治療の際には、横突起、後弓、椎骨動脈溝の左右非対称を考慮するべきである。(j Manipulative Physiol Ther 2011;34:463-467)
検索キーワード:環椎:頸椎:解剖学

   
 図1.重要点、ライン、角度に関する定義。(この図の   図2.椎骨動脈溝の左右非対称の形態(左は孔のよう
 カラーヴァージョンはオンラインで入手可)       な形、右は溝のような形:原文のまま)

   
 図3.椎骨動脈の左右非対称の形態(左は半円形、右は溝の  図4.左右非対称のモデルとその α 角。(この図の
 ような形:原文のまま)                 カラーヴァージョンはオンラインで入手可)

 
 図5.左右の後弓の長さの差が3mmを越える左右非対称のモデル。(カラーヴァージョンはオンラインで入手可)

 (以下省略)
 

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