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PAACニュース169号:頸部と上背部の慢性痛のある患者の脳灌流:予備観測

2018/11/11

     Maxim A.Bakhtadze,MD,PhD、Howard Vernon,DC,PhD、Anatolly V.Karakin,MD,PhD
     Sergey P.Pasha,MD,PhD、Igor Tomachevskiy,MD,PhD、David Soave,MSc 著

                                       訳:栗原輝久

概観
目的:今回の研究の目的は、頸部痛患者における脳灌流量、頸部身体障害指数(Neck Disability Index:NDI)の点数、脊椎関節フィクセーションとの間の相関関係を明らかにするというものである。
方法:頸部と上胸部の慢性痛があり、症状が悪化中の45人の成人患者(29人が女性)について研究した。NDIの点数に従って、被検者グループ分けした:軽度、中程度、重度である。疼痛があって、癒合した頸椎、上部胸椎、肋椎関節の分節の番号、視覚的アナログ尺度による疼痛強度、単光子放射型コンピューター断層撮影法(single-photon emission computed tomography:SPECT)による局所的な脳血流量について、観察を行った。このSPECTを半定量的に分析した。NDIグループのそれぞれの全体的なSPECTの点数に関しては、分散テストについての分析を実行した(P<.05)。年齢と持続期間との間の他に、骨癒合、疼痛、SPECTの点数との間に、(分布が)単変量の相関関係が観察された。その後に、多変量解析を実行した。
結果:グループ1(軽度)は、14人の患者グループで、SPECTによって測定した脳灌流は、脳の8部位全てで正常だった。グループ2(中程度)は、16人の患者グループで、このグループでは、(20%-35%)脳灌流の減少が観察された。これは、頭頂部と前頭部で顕著だった。グループ3(重度)は、15人の患者グループで、このグループでは、脳灌流の30%-45%の減少が観察されたが、この際にも頭頂部と前頭部が顕著だった。NDI(頸部身体障害指数)については、グループ間では、有意な差異が見られた("中程度"や"重度"では、"軽度"のグループよりも有意で大きな灌流低下が見られた。SPECTと関連した全体的な遮断の点数は、r=0.47、P=.001だった。多変量分析では、NDIの点数は、SPECTの点数の39%のバラツキの一因となっている。
結論:頸部痛や上背部痛のある患者グループは、NDIの点数は、脳灌流低下を強く予見していた。脊椎関節の機能障害は、局所的な交感神経系の活動亢進によるものだったろう。(J Manipulative Physiol Ther 2012;35:76-85)
検索キーワード:頸部痛:身体障害:評価:カイロプラクティック:単光子放出コンピューター断層撮影法:脳

(以下省略)

                                         


 

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