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PAACニュース170号:手技可能な脊椎病変の生体力学的定量化:脊椎分離症と椎間板変性の成体羊モデル
2018/11/12
Christpher J.Colloca,DC、Robert Gunzburg,MD、Brian J.Freeeman,MD、Marek Szpalski,MD、
Mostafa Afifi,PhD、Robert J.Moore,PhD 著
訳:栗原輝久
要約
目的:今回の研究の目的は、外科手術によって人工的に作り出した脊椎障害の生体力学的・病理学的な重要性について定量化する事、そして生体モデルにおいて脊椎マニピュレーション療法(spinal manipulation:SMT)に対するそれらの反応を明らかにする事である。
方法:24頭のメリノ種の羊の中で、6頭は脊椎分離症の手術を受け、6頭はL1の線維輪障害術式を受け、12頭はそれぞれの対照群とした。(2-12Hzの)振動性負荷を用いて、(背から腹への)背腹方向(dorsalventral:DV)の硬直を評価した。グループのそれぞれについては、無作為化された反復測定の設定を用いて、2つの脊椎マニピュレーション療法の力-時間の統計データを処理した。背腹方向の動きにおける硬直や脊椎マニピュレーション療法の効果、そして反復測定の分散を使って、多裂筋への針による筋電図反応を評価した(α=.05)。解剖による組織学的分析とコンピューター断層撮影によって、障害の存在を確認した。
結果:対照群(4.48N/mm)と比べると、L5の脊椎分離症(6.28N/mm)の際には背腹方向の硬直が著明に増大(40.2%)した(P<.03)。脊椎分離症グループに行われた脊椎マニピュレーション療法の結果として、対照群よりも小さい(P<.01)椎骨変位が見られた。椎間板変性グループの背腹方向の硬直は、5.66N/mmで、L1の対照群(2.91N/mm)よりも94.5%大きかった(P<.01)。100ミリセカンドの脊椎マニピュレーション療法の結果として、L1の対照群と比較すると、椎間板変性グループの方に背腹方向の変位により大きな減少がみられた(P<.01)。椎間板変性グループの羊には、全ての脊椎マニピュレーション療法に対する筋電図の針の反応について、35%-30%の一貫した減少が見られた。
結論:脊椎障害や脊椎マニピュレーション療法に対するそれらの反応の定量化できる客観的な証拠について、今回の研究で確認した。神経力学的変化によって手技可能な脊椎障害の定量化に向けての新たな洞察と脊椎マニピュレーション療法の結果を生体力学的に評価するための1つの手段が得られる。(J Manipulative Physiol Ther 2012;35:354-366)。
検索キーワード:生体力学:マニピュレーション:脊椎:脊椎分離症;椎間板変性;カイロプラクティック
図2.外科的な切開、脊椎分離症による障害を作り出す 図3.羊の脊椎、ヒトの椎間関節間部の欠損と比較する
際のL5の椎弓と周辺の腰椎組織が見える。Kerrrison ためn脊椎分離症による欠損(実線)が見られる。
骨鉗子を使って、脊椎分離症の欠損を作り出した。閉 ヒトの脊椎と比較して、羊の脊椎のより幅の広い関節
鎖する前に、L5の椎弓下部から曲線をは描いて椎間関節 間部(点線の矢印)は、研究目的にはあまり適合して
の周辺で両側の神経孔へと進入した。(カラーヴァー いない。(カラーヴァージョンはオンラインで入手可)。
ジョンはオンラインで入手可)。
図7.6ヶ月後の追跡調査時での脊椎分離症の欠損部に 図8.低倍率の顕微鏡による脊椎分離症グループの羊の正
見られた線維性偽関節の低出力拡大画像。(カラー 常な椎間板の視覚化。6ヶ月前に脊椎分離症の欠損障害
ヴァージョンはオンラインで入手可) を受けたどの羊においても、椎間板に対する障害も成長
板障害も見られなかった。(カラーヴァージョンはオンラ
インで入手可)。
図9.羊の脊椎の冠状面(AとD)、軸平面(BとE)、矢状面(CとF)のCTスキャン画像。脊椎分離症グループ
(A、B、C)の 33%に観察されたように、脊椎分離症の欠損の骨性強直が見られる。6ヶ月後の追跡調査では,
脊椎分離症欠損について、脊椎分離症グループ(D、E、F)の 67%の羊で、脊椎分離症の骨性治癒は見られな
かった。放射線学的体積測定分析(RSA)のためのタンタラム気泡の移植による人為的な影響も観察された。
図11.羊のL1-L2の椎間板の低倍率の正中矢状面。今回の研究でL1の対照群とな
った正常な椎間板が左側に示されているが、線維輪と髄核の正常な配列が見られ
る。障害を受けた椎間板(右)、線維輪の切開という生存下での手術を受けたも
の(椎間板変性グループ)、線維輪前部の広範な崩壊、髄核の前方への移動、線
維輪後部線維の内方への収縮という特徴が見られる。著しく肥厚した修復組織が
線維輪の初期障害部位の周辺に存在している。椎体と障害のある椎間板の終板に
は、横方向への小さな亀裂と石灰化部位の不規則な肥厚も観察される。(カラー
ヴァージョンはオンラインで入手可)。
臨床的適用
●今まで有効とされた羊の腰椎の椎間板変性のモデルと外科的に脊椎障害を作り出した新種の羊の脊椎分離症の障害
モデルを用いて、6ヶ月に及ぶ追跡調査を行う事で、これを組織学的、放射線学的に追跡調査した。
●脊椎マニピュレーションに対する反応として生じる椎骨変位の減少と同様に、動的な脊椎の硬直の増強に関する客
観的な証拠は、月齢や露出レベルが一致する対照群と比較すると、脊椎分離症や椎間板変性のグループにおいて観
察された。
●神経筋システムの変化を伴った脊椎の硬直の変化と一致した病変に関する組織学的証拠から、脊椎マニピュレー
ション療法の転帰を組織学的に評価する手段と同様に、手技可能な脊椎障害へ向けた新種の洞察が得られる。
(以下省略)
Mostafa Afifi,PhD、Robert J.Moore,PhD 著
訳:栗原輝久
要約
目的:今回の研究の目的は、外科手術によって人工的に作り出した脊椎障害の生体力学的・病理学的な重要性について定量化する事、そして生体モデルにおいて脊椎マニピュレーション療法(spinal manipulation:SMT)に対するそれらの反応を明らかにする事である。
方法:24頭のメリノ種の羊の中で、6頭は脊椎分離症の手術を受け、6頭はL1の線維輪障害術式を受け、12頭はそれぞれの対照群とした。(2-12Hzの)振動性負荷を用いて、(背から腹への)背腹方向(dorsalventral:DV)の硬直を評価した。グループのそれぞれについては、無作為化された反復測定の設定を用いて、2つの脊椎マニピュレーション療法の力-時間の統計データを処理した。背腹方向の動きにおける硬直や脊椎マニピュレーション療法の効果、そして反復測定の分散を使って、多裂筋への針による筋電図反応を評価した(α=.05)。解剖による組織学的分析とコンピューター断層撮影によって、障害の存在を確認した。
結果:対照群(4.48N/mm)と比べると、L5の脊椎分離症(6.28N/mm)の際には背腹方向の硬直が著明に増大(40.2%)した(P<.03)。脊椎分離症グループに行われた脊椎マニピュレーション療法の結果として、対照群よりも小さい(P<.01)椎骨変位が見られた。椎間板変性グループの背腹方向の硬直は、5.66N/mmで、L1の対照群(2.91N/mm)よりも94.5%大きかった(P<.01)。100ミリセカンドの脊椎マニピュレーション療法の結果として、L1の対照群と比較すると、椎間板変性グループの方に背腹方向の変位により大きな減少がみられた(P<.01)。椎間板変性グループの羊には、全ての脊椎マニピュレーション療法に対する筋電図の針の反応について、35%-30%の一貫した減少が見られた。
結論:脊椎障害や脊椎マニピュレーション療法に対するそれらの反応の定量化できる客観的な証拠について、今回の研究で確認した。神経力学的変化によって手技可能な脊椎障害の定量化に向けての新たな洞察と脊椎マニピュレーション療法の結果を生体力学的に評価するための1つの手段が得られる。(J Manipulative Physiol Ther 2012;35:354-366)。
検索キーワード:生体力学:マニピュレーション:脊椎:脊椎分離症;椎間板変性;カイロプラクティック
図2.外科的な切開、脊椎分離症による障害を作り出す 図3.羊の脊椎、ヒトの椎間関節間部の欠損と比較する
際のL5の椎弓と周辺の腰椎組織が見える。Kerrrison ためn脊椎分離症による欠損(実線)が見られる。
骨鉗子を使って、脊椎分離症の欠損を作り出した。閉 ヒトの脊椎と比較して、羊の脊椎のより幅の広い関節
鎖する前に、L5の椎弓下部から曲線をは描いて椎間関節 間部(点線の矢印)は、研究目的にはあまり適合して
の周辺で両側の神経孔へと進入した。(カラーヴァー いない。(カラーヴァージョンはオンラインで入手可)。
ジョンはオンラインで入手可)。
図7.6ヶ月後の追跡調査時での脊椎分離症の欠損部に 図8.低倍率の顕微鏡による脊椎分離症グループの羊の正
見られた線維性偽関節の低出力拡大画像。(カラー 常な椎間板の視覚化。6ヶ月前に脊椎分離症の欠損障害
ヴァージョンはオンラインで入手可) を受けたどの羊においても、椎間板に対する障害も成長
板障害も見られなかった。(カラーヴァージョンはオンラ
インで入手可)。
図9.羊の脊椎の冠状面(AとD)、軸平面(BとE)、矢状面(CとF)のCTスキャン画像。脊椎分離症グループ
(A、B、C)の 33%に観察されたように、脊椎分離症の欠損の骨性強直が見られる。6ヶ月後の追跡調査では,
脊椎分離症欠損について、脊椎分離症グループ(D、E、F)の 67%の羊で、脊椎分離症の骨性治癒は見られな
かった。放射線学的体積測定分析(RSA)のためのタンタラム気泡の移植による人為的な影響も観察された。
図11.羊のL1-L2の椎間板の低倍率の正中矢状面。今回の研究でL1の対照群とな
った正常な椎間板が左側に示されているが、線維輪と髄核の正常な配列が見られ
る。障害を受けた椎間板(右)、線維輪の切開という生存下での手術を受けたも
の(椎間板変性グループ)、線維輪前部の広範な崩壊、髄核の前方への移動、線
維輪後部線維の内方への収縮という特徴が見られる。著しく肥厚した修復組織が
線維輪の初期障害部位の周辺に存在している。椎体と障害のある椎間板の終板に
は、横方向への小さな亀裂と石灰化部位の不規則な肥厚も観察される。(カラー
ヴァージョンはオンラインで入手可)。
臨床的適用
●今まで有効とされた羊の腰椎の椎間板変性のモデルと外科的に脊椎障害を作り出した新種の羊の脊椎分離症の障害
モデルを用いて、6ヶ月に及ぶ追跡調査を行う事で、これを組織学的、放射線学的に追跡調査した。
●脊椎マニピュレーションに対する反応として生じる椎骨変位の減少と同様に、動的な脊椎の硬直の増強に関する客
観的な証拠は、月齢や露出レベルが一致する対照群と比較すると、脊椎分離症や椎間板変性のグループにおいて観
察された。
●神経筋システムの変化を伴った脊椎の硬直の変化と一致した病変に関する組織学的証拠から、脊椎マニピュレー
ション療法の転帰を組織学的に評価する手段と同様に、手技可能な脊椎障害へ向けた新種の洞察が得られる。
(以下省略)