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PAACニュース171号:高齢女性のバランスにおける両側の距腿関節へのグレードⅢの授動法の即時の効果

2018/11/14

   Adriana Pertile,PT,PhD、Aline Barbosa Macedo,PT、Almir Dibal Filho,PT、Elvyna Melo Rego,PT
     Lara Duarte de Figuelredo Arrals,PT、Julia Raquel Negri,PT、Rosana Macher Teodori,PT,PhD 著

                                                訳:栗原輝久

要約
目的:今回の研究の目的は、高齢女性のバランスにおける両側の距腿関節へのグレードⅢの授動法のみの即時の効果を評価する事である。
方法:肉体的活動の少ない(65-80歳の)32人の高齢女性は、授動法(16人)や偽授動法(16人)の前後に、BAROPODEMETRY を用いたバランス評価、ファンクショナル・リーチ・テスト、アップ・アンド・ゴー・テスト、底屈と背屈の可動域(ROM)の評価を完了した。各々の被検者は、全部で12回(1回の施術で左右の足首を6回ずつ)の30秒間のグレードⅢの授動法に従って貰った。
結果:高齢女性のバランスに関するグループ内、グループ間での比較において、以下の評価の際には有意な差異は見られなかった:ファンクショナル・リーチ・テスト(P=.851)、タイム・アンド・ゴー・テスト(P=.653)、閉眼状態での前後の動揺(P=.602)である。更に右(P=.881)と左(P=.060)の底屈可動域(ROM)と右(P=.540)と左(.341)の背屈可動域(ROM)でも有意な差異は見られなかった。
結論:今回の研究の結果から、肉体的活動レベルの低い高齢女性においては、両側距腿関節への1回のグレードⅢの授動法ではバランスや ROM の即座の改善はみられないという事が示された。(J Manipulative Physiol Ther 2012;35:549-555)
検索キーワード:筋骨格系マニピュレーション:理学療法手段:足関節:バランス

 
 図2.距腿関節の授動法。末梢部の前方(A)と後方(B)への移動。(カラーヴァージョンは
 オンラインで入手可)





                                           

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