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PAACニュース172号:乳児の疝痛に対するカイロプラクティック手技療法の効果:実際的な単盲検無作為化対照試験

2018/11/14

                      Joyce E.Miller,BS,DC、David Newell,PhD、Jennifer Boiton,PhD
                                              訳:栗原輝久

序論
目的:今回の研究の目的は、説明がつかない号泣行動の見られる乳児に対するカイロプラクティック手技療法の効果、そして両親が警告する上での先入観による何らかの影響の有無を明らかにする事である。
方法:2007年の10月から2009年の11月までの間に、英国のカイロプラクティック指導クリニックで、説明がつかない持続的な号泣(乳児疝痛)の見られる乳児を募集した。生後8週間未満の乳児を無作為に3つのグループの1つに振り分けた:(ⅰ)治療を受ける乳児、両親に知らされている、(ⅱ)治療を受ける乳児、両親には知らされていない、(ⅲ)治療を受けない乳児、両親には知らされていないである。第1の転帰は、10日間に亘って両親が完成させた毎日の号泣日記だった。治療は実際的なもので、個々の検査所見に合わせたもので、脊柱のカイロプラクティック手技療法から成るものだった。分散分析を行って、グループ間の違いを調査した。
結果:104人の患者を無作為かした。治療の割り当てについて盲目状態の両親では、1日に2時間、あるいはそれ未満の号泣を目安にして、号泣している時間の臨床的に大きな改善を決定した。未治療の乳児と比較して、治療を受けた乳児の改善に関して増大したオッズ比は統計的に有意だった、8日目(調整したオッズ比[OR]、8.1;95%の信頼区間[CI]、1.4-45.0)と10日目(調整したオッズ比、11.8;95%の信頼区間2.1-68.3)。治療に必要な回数は3回だった。対照的に、治療を受けた乳児の改善のオッズ比は、盲目状態では無かった両親と比べると、盲目状態の際に大きな違いは見られなかった(調整されたオッズ比、8日目で0.7[95%の信頼区間、0.2-2.0⁆)、10日目では0.5[95%の信頼区間、0.1-1.6⁆)。
結論:今回の研究では、カイロプラクティック手技療法によって、疝痛のある乳児の号泣行動に改善が見られた。この所見から、両親の治療に関する知識は、今回の研究で観察された治療効果に関与しないように思われた。それ故、観察された治療効果が報告を行った両親側の先入観によるものだとは想像もできない。(J Manipulative Physiol Ther 2012;35:600-607)
検索キーワード:乳児:疝痛:カイロプラクティック:筋骨格系のマニピュレーション

 臨床的適用
 ●今回の研究では、同じ立場で行われた時でさえ、治療を受けなかった時よりも、カイロプラクティック治療を受け
  なかった時よりも、カイロプラクティック治療を受けた時に、少なくとも5倍という号泣の有意な減少が見られる
  事が明らかになった。
 ●治療に対する両親の盲目化の有無に関わらず、治療を受けた乳児には同じような改善が見られた。
 ●両親は、短期間の治療を期待していて、第1週で回復が得られた場合と同様に、第1週に改善が見られなかった場合
  には、治療を中止した。

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