• トップ
  • 院長ブログ
  • PAACニュース174号:腰痛の高齢者へのスラストや非スラストのマニピュレーション:疼痛と身体障害の評価

PAACニュース174号:腰痛の高齢者へのスラストや非スラストのマニピュレーション:疼痛と身体障害の評価

2018/11/15

 Kenneth E.Learman,PhD,PT、Christopher Showalter,PT、Bryan O'Halloran,DPT、Chad E.Cook,PhD,PT

                                            訳:栗原輝久

概観
目的:今回の研究の目的は、腰痛のある高齢の被験者において、スラスト・マニピュレーション(thrust manipulation:TM)と非スラスト・マニピュレーション(non-thrust manipulation:NTM)を比較する事である。
方法:これは、無作為化比較対照試験に関する二次データ分析である。55歳から88歳の49人の被験者が今回の試験に参加したが、彼らは、一連の治療中にスラスト、あるいは非スラストのマニピュレーションを少なくとも2回受けた。これは、より大規模なデータ・セットから抽出されたものだった。治療計画は、最初の2回の治療については標準的な家庭内訓練に適合したもので、これらの2回の治療後に治療家が修正を加える事ができるものだった。数値式疼痛評価尺度とオズウェストリーの身体障害指数(Oswestry Diability Index:ODI)が今回の研究の結果だった。
結果:多変量解析によって、グループ ✕ 時間の相互作用が無い状態(P=.90)では、治療グループのグループ間の差異に関する有意性は無い事が判った(P=.99)。両方のグループのオズウェストリー身体障害指数(ODI)と数値式疼痛尺度については、グループ内での重要な変化が観察された:回復に関する平均的な事故報告は78.0%(標準偏差、19.8%)だった。高齢の参加者の年齢層から、60歳から69歳までの人と比較すると(70歳を越える)高齢の被験者では、オズウェストリー身体障害指数の変化の点数にグループ間での差異がある事が判った(P=.02)
結論:今回の研究から、腰痛のある高齢者において、スラストと非スラストの両方の結果に改善が見られる事が明らかになった。(J Manipulative Physiol Ther 2013;36:284-291)
検索キーワード:腰痛:老人:筋骨格系マニピュレーション

 臨床的応用
 ●腰椎手技療法の応用によって、それがスラスト・マニピュレーションであれ、非スラスト・マニピュレーションで
  あれ、高齢者の疼痛や身体障害の点数に有意な効果が見られた。
 ●55歳かそれより高齢の患者の小集団においては、スラスト・マニピュレーションと非スラスト・マニピュレー
  ションとの間に有意な差異は見られなかった。
 ●年齢層ごとの分析から、高齢の被験者の改善は比較的小さい傾向にあるという事が明らかになった。

 (以下省略)

PAGE TOP