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PAACニュース176号:正常集団における環椎歯突起間距離の測定の際の年齢、性別、姿勢の影響

2018/11/17

要約
目的:環椎歯突起間距離(ADI)は、環軸関節の安定性(atlantoaxial stability)を評価する際に用いられている。この測定は、患者を検査する際に用いられている。この測定は、患者を検査する際に遭遇する幾つかの特性の影響を受ける可能性がある。今回の研究では、正常集団の環椎歯突起間距離測定の際の年齢、性別、姿勢といった3つの特性の影響を検証した。
方法:骨損傷が実証されてはいない成人の269例の頸椎側面像に関して、環椎歯突起間距離を連続して測定した。各々の年齢層に関して等しい分布状態で年齢と性別による階層化を行った。側面のデジタル写真の頭蓋脊椎角を測定する事で、更なる25人の無症候の成人の姿勢を評価した。その後、側面像から環椎歯突起間距離を測定した。スピアマンの準位相関を用いて年齢、頭蓋脊椎角、環椎歯突起間距離の間の相関関係を検証した。ADIのクラスカル・ウォリスの検定によって、年齢層での比較を行った。ウィルコクスン準位和検定を使って、ADIと性別の相関関係を検証した。回帰分析での相互作用項を用いて、年齢と性別の相互関係を探索した。
結果:年齢によってADIは減少した,年齢層に亘って2.07から0.85mmまで平均測定値が減少した(P<.01)。ADIと性別との間には有意な関係は実証されなかった。年齢と性別との間に有意な相互関係は実証されなかった。頭蓋脊椎角の測定値は、ADIとはかんれんしてはいなかった(p=0.03、P=.90)
結論:ADIの程度は、加齢と共に減少した。ADIの測定値を解釈する際には、年齢が変異因子であるとみなすべきで、潜在的で軽度の不安定性を考慮する際には尚更である。患者の性別は、年齢とは無関係に、あるいは年齢との相互作用において、ADIに影響しないように思われた。無症候の成人集団では、当該脊椎姿勢の変動は、ADIに影響しないように思われた。(J Manipulative Physiol Ther 2013;36:226-231)
検索キーワード:環軸関節:診断画像:年齢因子:姿勢

   
 図1.ADIの測定。このADIは、上部(AB)、中間部  図2.耳珠とC7棘突起を結んだ a 線(AB間)と正確な
 (CD)、下部(EF)の測定値の平均として計算さ   水平線(BC間)との間の角度として測定される頭蓋脊椎角。
 れる。ADI:Atlantodental interval(環椎歯突起  (この図のカラーヴァージョンはオンラインで入手可)
 間距離)

  (以下省略)

 

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