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PAACニュース179号:一過性片頭痛と慢性片頭痛の患者の頸椎原性身体障害と頸椎可動域の比較:1つの横断的研究

2018/11/20

 Gabriela F.Carvaliho,MD、Thais C.Chaves,PhD、Maria C.Goncalves,PhD、Lidiane L.Florencio,MD、
 Carolina A.Braz,PT、Fabiola Dach,PhD、Cesar Fernandez de Las Penas,PhD、Debora Bevilaqua-Grossi,PhD 著

                                               訳:栗原輝久

要約
目的:今回の研究の目的は、一過性片頭痛(episodic migraine:EM)と慢性片頭痛(chronic migraine:CM)の患者について、頸部痛に関連した身体障害と頸椎可動域(cervical range of motion:CROM)を評価し、その双方の転帰の関係を検証するというものだった。
方法:今回の横断的研究は、91人の一過性片頭痛患者と34人の慢性片頭痛患者から構成されていた。頸椎可動域は、頸椎可動域測定器具によって測定し、頸部運動の際の疼痛を記録した。頸部痛に関連した自己報告の身体障害については、頸椎原性身体障害指数によって評価した。
結果:慢性片頭痛患者には、高得点の頸部障害指数と中程度から重度の身体障害が見られた(P=.01)。頸部痛の1つの結果としての重度の身体障害では、慢性片頭痛発症のリスクが 7.6 倍だった。グループ間で確認された頸椎可動域の違いは大きくは無かった。慢性片頭痛グループでの4つの運動(-0.60 < r < -0.30)と一過性片頭痛グループでの3つの運動(-0.48 < r < 0.45)では、頸椎可動域と身体障害との間には中程度の逆相関が見られた。両方のグループでは、身体障害は頸椎可動域検査の際に誘発された疼痛と正相関、あるいは中程度に相関していた(0.34 < r < 0.51)。
結論:今回の研究では、片頭痛患者では頸部痛の罹患率が高いという事が判った。頸椎原性身体障害は、片頭痛発作の頻度が増すことで増加し、片頭痛の慢性化のリスクと関連していた。頸椎可動域(CROM)と頸椎原性身体障害との間の関係は、慢性片頭痛患者と頸部運動の際に疼痛を訴える患者では、より歴然といしていた。(J Manipulative Physiol Ther 2014;37:641-646)
検索キーワード:頸部痛:頭痛:片頭痛身体障害:可動域

  実際の適用
  ●今回の研究では、片頭痛、特に慢性片頭痛患者では、頸部痛性身体障害が数多く見られるという事が判った。
  ●慢性片頭痛患者は、頸部痛性身体障害を報告する事が多く、頸部痛性身体障害は慢性片頭痛の発症リスクと関連 
   していた。


  (以下省略)


 

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