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PAACニュース179号:無作為化比較対照試験を受けた慢性腰痛患者のレントゲン像所見の罹患率:二次分析と臨床上の意義
2018/11/21
Robert D.Vining,DC、Eric Potocki,DC,MS、Ian McLean,DC、Michael Seidman,MSW,DC、A.Paige
Morgenthai,DC,MS、James Boysen,DC,MS、Christine Goertz,DC,PhD 著
訳:栗原輝久
要約
目的:今回の論文の目的は、21歳から65歳までの慢性腰痛(chronic low back pain:CLBP)患者の段階的な椎間板変性、脊椎辷り症、移行分節(tranditional segmentation:移行椎?)、仙骨傾斜の分布を測定する事である。
方法:今回の遡及的研究では、慢性腰痛患者に関する無作為化比較対照試験の際に入手した247枚のデジタル・レントゲン像シリーズを分析した。慢性腰痛については、12週か、それ以上の期間継続する腰部の疼痛と定義した。2人の研究者が正しいと認められた分類基準を使って、椎間板変性、脊椎辷り症、腰仙部の移行分節のレントゲン像所見の等級付けを行った。仙骨傾斜については、画像ソフトウェア内に収納されているデジタル・ツールを使って測定した。
結果:(Castellvi分類による)グレードⅠからⅣの腰仙部の移行分節は、14%の患者に存在している。腰椎の椎間板変性の罹患率は、L3‐L4が最も高く(46%)、続いてL4‐L5(42%)、L5‐S1(37%)、L1‐L2(29%)だった。椎弓峡部の脊椎辷り症(分離辷り症?)は、5%の患者に見られ、L5が最も頻度の高い部位だった。変性脊椎辷り症の罹患率は18%で、最も頻度の高い部位はL4だった。変性脊椎辷り症の罹患率は、50歳から59歳の女性では51%で、同年齢の男性では24%だった。
結論:中程度から重度の椎間板変性、多発性の椎間板狭小化、変性脊椎辷り症は、40歳を越える慢性腰痛患者では多く見られた。椎弓峡部の脊椎辷り症は、他の集団で報告された事のあるもののよりも多くは無かった。移行分節は、少数の参加者の中で確認されたが、何人かには副関節(accessory joints)や癒合が見られた。慢性腰痛患者の仙骨傾斜の平均値については、他の集団において報告されたものと大差が無かった。(J Manipulative Physiol Ther 2014;37:678-687)
検索キーワード:腰痛;罹患率;椎間板変性;脊椎辷り症;レントゲン像;腰仙部;カイロプラクティック
図1.上段:左から右へ、(上位の椎間板は正常で)軽度、中程度、重度と等級付けられた椎間板の狭小化の例。
下段:左から右へ、軽度、中程度、重度と等級付けされた骨棘の例。
図2.左:L5の椎弓峡部の脊椎辷り症(メイヤーディングのグレード2、即ち仙骨底上での25%から50%の
間の前方移動)とL4での変性脊椎辷り症(メイヤーディングのグレード1、即ちL5椎体上での25%未満の
前方移動。右:Catella 5.0 PACS のデジタル・ソフトウェアを使った仙骨傾斜の測定。
図3.腰仙部の移行椎(Castellvi の分類)。左:タイプⅠb、円は両側性の形成異常が見られる。(肥大した)
横突起を示唆している。中央:タイプⅡA、矢印は副関節を伴った片側性の横突起の形成異常を示唆している。
右:タイプⅡa、矢印は骨癒合を伴った片側性の横突起の形成異常を示唆している。タイプⅣ、あるいは混合
タイプの(此処では示されてはいない)は、反対側ではタイプⅡとタイプⅢに分類されている。(タイプⅠ‐Ⅲ
が両側性に見られるものは、b という文字で表される)
、
実用的応用
●移行分節の罹患率は14%、椎弓峡部の脊椎辷り症の罹患率は5%だった。
●中程度から重度の腰椎椎間板変性は、40歳未満の参加者の8%から50歳から59歳の参加者の32%までの範
囲がある。複数レベルの腰椎椎間板の狭小化は40歳未満のグループでは9%にみられるが、50歳から59歳
の年齢層グループでは43%まで上昇する。
●急性脊椎辷り症の罹患率は、40歳未満の女性では0%で、40‐49歳の年齢層グループでは14%、50歳か
ら59歳の年齢層グループでは51%だった。
●男性に関しては、変性脊椎辷り症は40歳未満の2%、40歳から49歳の年齢層では3%、50歳から59歳
の年齢層では24%だった。
●仙骨傾斜の平均値(標準偏差)は、40.5°(7.8)だった。
(以下省略)
Morgenthai,DC,MS、James Boysen,DC,MS、Christine Goertz,DC,PhD 著
訳:栗原輝久
要約
目的:今回の論文の目的は、21歳から65歳までの慢性腰痛(chronic low back pain:CLBP)患者の段階的な椎間板変性、脊椎辷り症、移行分節(tranditional segmentation:移行椎?)、仙骨傾斜の分布を測定する事である。
方法:今回の遡及的研究では、慢性腰痛患者に関する無作為化比較対照試験の際に入手した247枚のデジタル・レントゲン像シリーズを分析した。慢性腰痛については、12週か、それ以上の期間継続する腰部の疼痛と定義した。2人の研究者が正しいと認められた分類基準を使って、椎間板変性、脊椎辷り症、腰仙部の移行分節のレントゲン像所見の等級付けを行った。仙骨傾斜については、画像ソフトウェア内に収納されているデジタル・ツールを使って測定した。
結果:(Castellvi分類による)グレードⅠからⅣの腰仙部の移行分節は、14%の患者に存在している。腰椎の椎間板変性の罹患率は、L3‐L4が最も高く(46%)、続いてL4‐L5(42%)、L5‐S1(37%)、L1‐L2(29%)だった。椎弓峡部の脊椎辷り症(分離辷り症?)は、5%の患者に見られ、L5が最も頻度の高い部位だった。変性脊椎辷り症の罹患率は18%で、最も頻度の高い部位はL4だった。変性脊椎辷り症の罹患率は、50歳から59歳の女性では51%で、同年齢の男性では24%だった。
結論:中程度から重度の椎間板変性、多発性の椎間板狭小化、変性脊椎辷り症は、40歳を越える慢性腰痛患者では多く見られた。椎弓峡部の脊椎辷り症は、他の集団で報告された事のあるもののよりも多くは無かった。移行分節は、少数の参加者の中で確認されたが、何人かには副関節(accessory joints)や癒合が見られた。慢性腰痛患者の仙骨傾斜の平均値については、他の集団において報告されたものと大差が無かった。(J Manipulative Physiol Ther 2014;37:678-687)
検索キーワード:腰痛;罹患率;椎間板変性;脊椎辷り症;レントゲン像;腰仙部;カイロプラクティック
図1.上段:左から右へ、(上位の椎間板は正常で)軽度、中程度、重度と等級付けられた椎間板の狭小化の例。
下段:左から右へ、軽度、中程度、重度と等級付けされた骨棘の例。
図2.左:L5の椎弓峡部の脊椎辷り症(メイヤーディングのグレード2、即ち仙骨底上での25%から50%の
間の前方移動)とL4での変性脊椎辷り症(メイヤーディングのグレード1、即ちL5椎体上での25%未満の
前方移動。右:Catella 5.0 PACS のデジタル・ソフトウェアを使った仙骨傾斜の測定。
図3.腰仙部の移行椎(Castellvi の分類)。左:タイプⅠb、円は両側性の形成異常が見られる。(肥大した)
横突起を示唆している。中央:タイプⅡA、矢印は副関節を伴った片側性の横突起の形成異常を示唆している。
右:タイプⅡa、矢印は骨癒合を伴った片側性の横突起の形成異常を示唆している。タイプⅣ、あるいは混合
タイプの(此処では示されてはいない)は、反対側ではタイプⅡとタイプⅢに分類されている。(タイプⅠ‐Ⅲ
が両側性に見られるものは、b という文字で表される)
、
実用的応用
●移行分節の罹患率は14%、椎弓峡部の脊椎辷り症の罹患率は5%だった。
●中程度から重度の腰椎椎間板変性は、40歳未満の参加者の8%から50歳から59歳の参加者の32%までの範
囲がある。複数レベルの腰椎椎間板の狭小化は40歳未満のグループでは9%にみられるが、50歳から59歳
の年齢層グループでは43%まで上昇する。
●急性脊椎辷り症の罹患率は、40歳未満の女性では0%で、40‐49歳の年齢層グループでは14%、50歳か
ら59歳の年齢層グループでは51%だった。
●男性に関しては、変性脊椎辷り症は40歳未満の2%、40歳から49歳の年齢層では3%、50歳から59歳
の年齢層では24%だった。
●仙骨傾斜の平均値(標準偏差)は、40.5°(7.8)だった。
(以下省略)