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PAACニュース180号:両側性で慢性の機械的頸部痛患者の頸部痛強度と広範な圧痛感度における即座の変化:胸椎スラスト・マニピュレーション vs 非スラスト・モビリゼーション

2018/11/21

 Jaine Salom-Moreno,PT,PhD、Ricardo Ortega-Santiago,PT,PhD、Joshua Aland Cleland,PT,PhD
  Maria Palcios-Ceria,PT、Sebastian Truyois-Domfnguez,PT,PhD、Cesar Fernandez-de-las-Perias,PT,PhD 著

                                              訳:栗原輝久

要約
目的:今回の研究の目的は、両側性で慢性の機械的頸部痛患者の圧痛感度と頸部痛強度に関して、胸椎スラスト・マニピュレーション vs 胸椎非スラスト・モビリゼーション(授動法)を比較する事である。
方法:25人の患者(58%は女性)を無作為に胸椎スラスト・マニピュレーション・グループか、胸椎非スラスト・モビリゼーション・グループに登録した。グループ配分について盲目状態の評価者がC5-C6の関節突起間関節上、第2中手骨、前脛骨筋の圧痛感度(pressure pain thresholds:PPTs)と(11点制の数値式疼痛尺度での)頸部痛尺度についてのデータを基準時と施術の10分後に収集した。混合モデルの分散分析(mixed-model analysis of variance:ANOVAs)を行って、各々の結果に関する効果を検証した。一次解析は、グループ時間内挿だった
結果:全ての圧痛感度(C5-C6:P>.252;第2中手骨;P>.452;前脛骨筋:P>.273)に関する混合モデルの分散分布(ANOVAs)によって、有意な相互作用は発見されなかった。両方のグループでは、圧痛感度について同様の増強が見られたが(全て、P<.01、グループ内とグループ間のエフェクト・サイズ(差/分散)は小さかった(標準化された平均的な得点差[SMD⁆<0.22)。分散分析によって、胸椎スラスト・モビリゼーションを受けた患者には、胸椎非スラスト・モビリゼーションを受けた患者よりも非常に大きな頸部痛の減少(グループ間の平均差;1.4;95%の信頼区間、0.8-2.1)が見られる事が明らかになった(P<.01)。
グループ内のエフェクト・サイズは、両方のグループで大きかった(SMD>21)、またグループ間でのエフェクト・サイズは、マニピュレーション・グループの方が大きかった(SMD=1.3)。
結論:今回の無作為化臨床試験の結果から、胸椎のスラスト・マニピュレーションと非スラスト・モビリゼーションによって、機械的頸部痛の人の広範な圧痛感度において、同様の変化が生じるという事が示唆されたが、その変化は臨床的には小さいものだった。また両側性で慢性の機械的頸部痛患者の頸部痛強度の減少については、胸椎非スラスト・モビリゼーションの方がより効果的であるという事も発見した。(J Manipulative Physiol ther 2014;37:312-319)
検索キーワード:手技療法:頸部痛:脊椎:圧迫

   
 図1.胸椎スラスト・マニピュレーション。(カラー・  図2.胸椎スラスト・モビリゼーション(カラー・
 ヴァージョンはオンラインで入手可)          ヴァージョンはオンラインで入手可)


 実際の適用
 ●今回の研究から、慢性頸部痛について、胸椎マニピュしレーションの結果として、胸椎モビリゼーションと同様の
      圧痛閾値の小さな変化が生じるという事が示唆されている。
 ●胸椎マニピュレーションを受けた機械的頭部痛患者中には、胸椎非スラスト・モビリゼーションを受けた患者より
  も大きなよりも大きな疼痛の減少が見られた。


 

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