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PAACニュース180号:足関節背屈制限のあるヒトの歩行に関する動的、運動学的、時間のパラメーター:距骨滑走テーピングを用いた修正授動法の術前・術後

2018/11/22

             Ji-Yeon Yoo,PhD、Young-in Hwang,PhD、Duk-Hyun Ah,PhD、Jae‐Seop Oh,PhD 著

                                              訳:栗原輝久

要約
目的:今回の研究の目的は、足関節背屈制限のあるヒトに関して、距骨滑走テーピングを用いた動きによる修正授動法(modified mobilization with movement:MWM)の術前・術後の他動的な足関節の背屈可動域(ROM)、最大底屈力、動力×時間、歩行中の離踵時間における変化を調査するというものである。
方法:13人の患者にみられた18例の足関節背屈制限について検査した。参加者は、以下の順番で3種類の異なる歩行課題を行った:術前の歩行、距骨滑走テーピングを用いた動きによる授動法直後の歩行、そして距骨滑走テーピングを用いた動きによる授動法から5分後の歩行という順番である。フロアマット式の圧力測定システム(HR-mat)を使って、最大底屈力、動力×時間、離踵時間を測定した:標準的な測角器を使って他動的な足関節背屈可動域を測定した。分散に関する反復性に一元配置分析を行って、違いの有意性を評価した。
結果:術前と距骨滑走テーピング施行直後の歩行と比較すると、距骨滑走テーピングを用いた修正授動法から5分後の歩行の方に、他動的な足関節背屈可動域と離踵までの時間の有意な増大が見られた。テーピング前と比べると、距骨滑走テーピングによる修正授動法によって、歩行から5分後の歩行中に、有意に増大した最大底屈力と後足部の動力×時間、前足部の動力×時間の有意な減少が観察された。全ての変数に関して、このテーピングの前と直後の間には、有意な違いは観察されなかった。
結論:我々の結果から、距骨滑走テーピングを用いた修正授動法と5分間の追加的な歩行によって、他動的な足関節の背屈可動域と離踵時間が増大し、歩行中の動的な足底への負荷も改善するという事が示唆されている。(J Manipulative Physiol Ther 2014;37:320-325)
検索キーワード:足関節:運動競技テープ:関節可動域

  
     
  図1.距骨滑走テーピングを用いた授動法による修正運動。 図2.前足部と後足部の遮蔽。(カラー・ヴァージョ
  矢印は、下方と後方への力の方向を示している。(カラ   ンはオンラインで入手可)
  -ヴァージョンはオンラインで入手可)

 実際的な適用
 ●距骨滑走テーピングを用いた修正MWMと5分間の歩行は、足関節の他動的背屈可動域の改善に効果的だった。
 ●距骨滑走テーピングを用いた修正MWMと5分間の歩行によって、離踵までの時間を増大させて、歩行中の足底部
  の動的荷重を改善させる事ができた。
 ●距骨滑走テーピングを用いた修正MWMの前と直後との間の変数については、有意な違いは見られなかった。

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