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PAACニュース182号:MRI画像によって頸椎椎間板ヘルニアが確認され、HVLA脊椎マニピュレーション治療を受けた患者の転帰:3ヶ月間の追跡調査を伴った将来を見据えたコホート研究

2018/11/23

    Cynthia K.Peterson,RN,DC,M.Med.Ed、Christof Schmid,DC、Serafin Leemann,DC、Bernard Anklin,DC
    B.Kim Humphreys,DC,PhD 著

                                               訳:栗原輝久

要約
目的:今回の研究の目的は、頸椎椎間板ヘルニア(cervical disk herniation:CDH)による頸椎神経根障害があり、脊椎マニピュレーション治療を受けている患者の転帰を調査するというものである。
方法:障害のある神経根に一致した頸部痛や皮質性の上肢痛、感覚、運動、あるいは反射の変化がみられる;頸椎神経根障害に関して少なくとも1つの整形外科テストが陽性である成人のスイス人患者を採用した。症状と結び付いていて、核磁気共鳴画像によって確認された頸椎ヘルニアが必要とされた。基準時のデータには2つの数値式疼痛尺度(pain numeric rating scales:NRSs)、頸部と腕については、頸椎性身体障害指数(neck disability index:NDI)があった。初回の面談の2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後に、患者に電話で連絡を取った。頸椎性身体障害指数(NDI)、数値化尺度(NRSs)、そして変化データに関する患者の全体的印象を収集した。熟練したカイロプラクティック・ドクターが素早く振幅の小さい脊椎マニピュレーションを処方した。点数の変化に関する患者の全体的印象での"良い"、あるいは"更に良い"といった患者の反応の割合を算出した。Wilcoxon検定を行って、治療前と治療後の頸椎身体障害指数と数値化尺度を比較した。Mann-Whiteney U 検定を行って、急性 vs 亜急性/慢性という形で、患者の数値化尺度と頸椎性身体障害指数を比較した。
結果:50人の患者を採用した。2週目の時点で55.3%に、1ヶ月の時点で68.9%に、3ヶ月の時点で85.7%に"改善"が見られた。基準時の点数と比べると、1ヶ月と2ヶ月の時点での頸部痛、腕の痛み、頸椎性身体障害指数(NDI)の点数に統計的に有意な減少が認められた(P<.0001)。亜急性/慢性の患者に関しては、3ヶ月の時点で76.2%に改善が見られた。
結論:今回の研究での殆どの患者は、亜急性/慢性患者で、核磁気共鳴画像で確認された症候性の頸椎ヘルニア(CDI)があったが、脊椎マニピュレーション治療による治療を受け、副作用も無く大きな改善を報告した。(J Manipulative Physiol Ther:2013;36:461-467)。
検索キーワード:脊椎;頸部痛;マニピュレーション:カイロプラクティック:椎間板変位


              
 図1.脊髄と左C7神経根の後方変位を伴ったC6‐C7左後外方の椎間板ヘルニアが見られるT2強調画像と
 MRI断面画像の他に、左矢状面のT2強調とT1強調画像。

               
  図2.症候性でMRIによって頸椎椎間板ヘルニアが確認された患者における、素早い振幅の小さい脊椎
  マニピュレーション治療(SMT)のためのドクターと患者の配置。(カラー・ヴァージョンは、
  オンラインで入手可)

  実際の適用
  ●MRIで確認された症候性の頸椎椎間板ヘルニアがあって、ヘルニアのレベルへのSMTによる治療を受けている
   、初回の治療後2週間、1ヶ月、3ヶ月の時点で、高水準で臨床的に意義のある改善を報告した。
  ●急性患者の大部分が改善したが、この改善は、亜急性/慢性の患者よりも素早い。
  ●亜急性/慢性の患者については、3ヶ月の時点で、76.2 パーセントが臨床的に意義のある改善を報告した。
  ●有害事象の報告は無かった。

  (以下省略)


                   

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