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PAACニュース186号:健康な対照群と比較した特発性脊柱側彎症の若年成人の感覚運動制御障害

2018/11/30

            Jean-Philippe Pialasse,DC,MSc,PhD、Pierre Mercier,MD、Martin Descarreaux,DC,PhD
            Martin Simoneau,PhD 著

                                              訳:栗原輝久

要約
目的:特発性脊柱側彎症(idiopathic scoliosis:IS)の青年に見られる感覚運動制御障害は、感覚システムの成熟や感覚運動制御メカニズムよりも、側彎症の発現に関連しているという仮説が立てられた事がある。今回の研究の目的は、青年 vs 健康な対照群という形で、特発性脊柱側彎症と診断された成人の感覚運動制御を判定するというものである。
方法:今回の研究では、20人の20歳から24歳の若年成人(10人が健康な成人、10人が青年期特発性脊柱側彎症だと診断されたが治療を受けていない青年)を採用した。両耳極性前庭電流刺激?(binaural bipolar galvenic vestibular stimulation:GVS)を行って、感覚運動制御を判定した。GVS(2秒間枠)の前、GVS(2秒間枠)の際に、GVS(1秒間枠)の停止直後、その2秒後に、両足と上体の運動学への前頭面に沿った垂直力を測定した。垂直力と上体の運動学の二乗平均平方根の値を計算する事で、バランス制御を測定した。
結果:健康な対照群と比較すると、特発性脊柱側彎症(IS)グループにはGVSの際に非常に大きな揺れが見られた、この揺れの程度はGVS開始直後には非常に大きかったー感覚運動制御が必要であるという結果だった。
結論:正常な対照群と比較すると、青年期に特発性脊柱側彎症(IS)と診断された成人にはGVS直後にバランス制御の変化が見られた。この所見は、感覚運動制御の機能障害は、感覚システムや感覚運動制御メカニズムの一時的で次善的な発達よりも、側彎症の発現と関連しているのだろうという事を示唆している。(J Manipulative Physiol Ther 2016;39:473-479)
重要索引用語:側彎症;姿勢バランス;神経行動学的兆候;感覚障害;感覚運動フィードバック

                        (中略)

  実際の適用
  ●側彎症のある青年と若年成人では、最良の感覚運動制御に満たない事が観察された事がある。これは、そのよう
   制御能力を調べる状況のもとで明らかとなっている。
  ●若年成人の感覚運動制御障害は、側彎症の成人で観察された事があるものと同様であり、それ故、この事は、そ
   のような障害が成熟過程や長時間の立位のみと関連しているという考えを排除するものである。
  ●青年期特発性脊柱側彎症は、多元的な状態なので、感覚運動制御の障害などといった考えられる原因を識別する
   事は、側彎症管理の改善に役立つだろう。

   (以下省略)
 

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