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PAACニュース188号:亜急性や慢性の足関節外傷のある参加者の可動域、疼痛、機能的能力に対する距骨の前後方向の授動法の効果

2018/12/05

          Rafael Duarte Silva,PhD、Luciana Mundim TeixeriA,MSc、Tarcisio Santos Moreira,MSc、
          LuciA Fuscaidi Teixera-Salmela,PhD、Marcos Antonio de Resende,PhD 著

                                             訳:栗原輝久

要約
目的:今回の研究の目的は、急性や慢性の足関節外傷の患者の背屈可動域(ROM)、疼痛、機能的能力、に対するMailtland のグレードⅢの距骨の前後方向の授動法の急性(1回)や慢性(6回)の効果、そして追跡時(2週間)の効果を測定するというものである。
方法:急性や慢性の足関節外傷があり、平均年齢 40.8歳 の 38 人の男女のボランティアが参加した。ボランティアには今回の研究の目的は伝えずに、実験グループ(experimental group:EG)が偽グループ(Sham group:SG)に割り振った。万能角度計、視覚的アナログ尺度、足と足関節の能力測定器を使って、背屈可動域、疼痛、機能的能力をそれぞれ測定した。測定は、4回の異なる時点-(1)基準時、(2)1回の施術後、(3)6回の施術後、(4)追跡調査時-で行った。距骨の Maitland のグレードⅢの前後方向の授動法を実験グループに行ったが、その一方で、偽グループには手接触を行った。30秒の休憩を挟んで、30秒の施術を3回行った。
結果:1回の施術後(実験グループ:9.5 ± 1.1;偽グループ:7.6 ± 1.1)、6回の施術後(実験グループ:12.8 ± 1.2;偽グループ:8.4 ± 1.2)に背屈可動域の有意な増加が見られたのは、実験グループのみだった、この状態は、追跡調査時(実験グループ:13.2 ± 1.1;偽グループ:9.3 ± 1.3)にも維持された。疼痛の減少と機能的能力の改善は、両方のグループで1回の施術事6回の施術後で確認された(疼痛、実験グループ:1.3 ± 0.5;偽グループ:1.8 ± 0.6、実験グループ:0.7 ± 0.3;機能的能力、実験グループ:64.6 ± 3.5;偽グループ67.4 ± 4.4、実験グループ:79.9 ± 3.3 ;偽グループ:86.2 ± 3.3)、そしてこの状態は、追跡調査時にも維持された(疼痛、実験グループ:0.3 ± 0.2;偽グループ:0.5 ± 0.3;機能的能力、実験グループ:86.8 ± 2.7:偽グループ:89.8 ± 3.7)。
結論:偽グループと比較すると、(実験グループでは)グレードⅢの関節授動法によって、足関節の俳句具可動域が改善した。疼痛や機能的能力の変化は、両方のグループで同様だった。(J Manipulative Physiol Ther 2017;40:273-283)
検索キーワード:授動法;関節可動域;足関節;手技療法


                     (中略)

            
            図1.足関節の関節授動法

                        (中略)


  実際の適用
  ●1回の Maitland のグレードⅢの距骨授動法によって、足関節の背屈可動域が増大した。
  ●足関節背屈可動域について観察された増大は、6回の関節授動法の方が大きかった。
  ●Maitland のグレードⅢの授動法によって、足関節背屈可動域の改善という累積的効果が生じた。

  (以下省略)



 

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