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PAACニュース190号:非特異的腰痛のある高齢女性について、腰椎安定化エクササイズによるホローイング法やブレーシング法の戦略の有効性:地域密着型のリハビリテーションに関する準実験的研究

2018/12/07

                Minseock Kim,MS、Minhee Kim,PhD、Sejun Oh,MS、BumChul Yoon,PhD 著

                                              訳:栗原輝久

要約
目的:今回の研究の目的は、地域福祉センターで非特異的腰痛(nonspecific low back pain:NSLBP)のある高齢女性に対するホローイング腰椎安定化エクササイズ(hollowing lumbar stabilization exercise:HLSE)とブレーシング腰椎安定化エクササイズ(bracing lumbar stabilization exercise:BLSE)の治療有効性を詳しく研究するというものである。
方法:全部で38人の非特異的腰痛(NSLBP)のある高齢女性を、ホローイング腰椎安定化エクササイズ(HLSE)グループ(17人、70.4 ± 17歳)かBLSEグループ(21人、66.8 ± 44歳)の何れかに登録した。両方のグループは、週に3回で連続12週間の治療介入を行った。各々のグループは、5種類の腰椎安定化エクササイズを行ったが、これには、それぞれホローイングやブレーシングと共に、サイド・ブランク・エクササイズ、ブリッジ・エクササイズ、4ニーリング・エクササイズ、プローン・ブランク・エクササイズ、プローン・バック・エクステンション・エクササイズが含まれていた。Per-protco 解析を行って、体幹筋力?(trunk strength)、腰部不安定性(Korean Oswestry Disability Index[K-ODI]:韓国語のオズウェストリー身体障害指数と、韓国語のローランド・モリス身体障害質問表(Korean Roland Morris Disability Questionnaire:K-RMDQによるもの)、静止バランス(static balance:片足立ちテスト[one leg standing testによるもの])を比較した。
結果:体幹筋力については、BLSEグループ(t=-5.56、P=.001)とHLSEグループ(t=-2.50、P=.024)の間とそれらのグループ内で、体幹屈筋による有意差が見られた(F=11.10、P=.001)。HLSE(t=ー6.00、P=.001)とBLSE(t=-9.19、P=.001)の体幹背部の伸展筋だけには、グループ内での有意差が見られた。しかし体幹の側屈筋については、HLSEとBLSEには、グループ間での有意差のみが見られた。腰部の不安定性に関しては、HLSE(t=4.50、P=.001)に関するK-ODIではグループ内の違いに有意性が見られたが、グループ間には有意差は見られなかった(F=0.28、P=.202)。K-RMDQ、HLSEだけには、有意なグループ内の違いが見られた(t=3.97、P=.001)。体幹筋力については、体幹屈筋に関するHLSEとBLSEのグループのエフェクト・サイズは、それぞれHLSEー0.53(中央値)、HLSE-1.21(大きな値):体幹側屈筋:HLSE 0.27(小さい値)とBLSE-0.24(小さい値):体幹背部の伸展筋:HLSE 1.1(大きな値)とBLSE 2.00(大きな値)だった。腰部の身体障害については、K-ODIに関する両グループのエフェクト・サイズは、それぞれHLSE 0.88(大きな値)とBLSE 1.05(大きな値)、K-RMDQ、HLSE 0.19(小さい値)とBLSE 0.40(小さい値)だった。
結論:我々の所見から、社会環境の中で非特異的腰痛のある高齢女性の体幹筋力と腰部身体障害を改善させるためには、HLSEとBLSEを推奨する事ができるという事が示唆されている。特に、HLSEとBLSEは、非特異的腰痛(NSLBP)と腰部身体障害と体幹筋力の弱化がある高齢女性のためには、特にHLSEとBLSEをそれぞれ推奨する事ができる。(J Manipulative Physiol Ther 2018;41:1-9)
検索キーワード:腰痛:エクササイズ療法;成人;高齢者;リハビリテーション

                        (中略)


          
図2.エクササイズ。(A)サイド・ブランク・エクササイズ。開始肢位と作動後肢位。左側(3回)、右側(3回)を5セット。全部で左右を15 回ずつ。(B)(仰臥位)ブリッジ・エクササイズ。開始肢位と作動後肢位。5回を5セット。全部で25回。(C)(4ニール)ブリッジ・エクササイズ。5回を5セット。全部で25回。(D)4ニーリング・エクササイズ。開始肢位と作動後肢位。5回を5セット。全部で25回。(カラー・ヴァージョンはオンラインで
入手可)。


                       (中略)

   実際の適用
   ●今回の研究では、慢性的な非特異的腰痛のある高齢女性のためのHLSEとBLSEの有効性を調査して、社会環境
    へ適用する事を狙った。
   ●我々の所見から、非特異的腰痛のある高齢女性の体幹筋力や腰部身体障害を改善させるためには、HLSEと 
    BLSEの適用が推奨できるという事が示唆されている。
   ●腰部身体障害や体幹筋力の弱化があって、非特異的腰痛のある高齢女性のためには、HLSEとBLSEが特に推奨
    される。

    (以下省略)
 

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