小児のカイロプラクティックより(骨盤の産科学)

2019/02/28

骨盤の産科学
 妊娠中の骨盤については、骨盤の産科学として広く述べられていて、胎児の発達の初期から後期の段階の間に、骨盤に生じる変化に関して専門的な夥しい数の記述が残されている。
 終線は、偽骨盤と真骨盤を分けている、真骨盤は、もっぱら骨盤入口の下部に位置している。偽骨盤には、解剖学的に後方には腰椎、外方には腸骨窩、そして前方には前腹壁がある。妊娠中の偽骨盤の機能は、妊娠の全期間を通じて子宮を支持する事である。真骨盤は出生の経過中に胎児がこの中を通過する骨性の空洞で、骨盤入口、骨盤腔、骨盤出口に分けられる。
 骨盤入口は、前部は恥骨稜と恥骨棘、外部は寛骨上の腸骨櫛線、後部は仙骨の岬角と仙骨翼の前縁によって形成されている。骨盤腔は湾曲した通路で、(前方では)恥骨から成る真っ直ぐであまり湾曲していない壁に接していて、強く彎曲した後壁は仙骨、仙骨翼の前縁と、そして後方では岬角と接している。骨盤出口は、前部は弓状恥骨靭帯と恥骨弓に、外側は坐骨結節と仙結節靭帯に、後部は仙骨尖によって形成されている。
 骨盤の傾斜は、立位で体重を支えた姿勢で判定する。骨盤入口縁の基準面は、水平位から60°の名K度を示す。恥骨棘と前上腸骨棘は、同じ垂直面にある。産道の軸は、生まれ来る胎児が骨盤を通って下降していく時に、胎児が通る部分となる通路である。先ず、坐骨棘の高さまでは後下方へ向かい、それから前下方へとその方向を変える。
 骨盤の基準面は、様々な高さで骨盤構造を横切る仮説上の平坦な面である。これらの骨盤の基準面は、産科学的な描写のみに使われる。分類は以下の通りである。
 1.骨盤入口の基準面、あるいは骨盤上口
 2.骨盤腔、最も重要な2つは、最大面と最小面として知られている。
 3.骨盤出口の基準面、あるいは骨盤下口

 産科学上の直径とは、定められた解剖学上の点の間の距離を表している。非常に重要なものは、前後径、横径、左右の斜面の径、後方の矢状面の径、前方の矢状面の径である。
 前部骨盤点から後部骨盤点へと至る3つの異なる前後径がある。これらの中で最も重要なものは、産科学的真結合線、即ちそれは、胎児がそこを通過しなければならないもの、そしてその際に岬角中心線から恥骨結合の後上縁まで広がらなければならないものである。横径は、腸骨櫛線の間の最長部分である。左の斜径は、左仙腸関節と右の腸骨櫛線の間のもので、右の斜径は、右仙腸関節と左の腸骨櫛線の間のものである。
 

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