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小児のカイロプラクティックより(妊娠第3期の危険性の判定)
2019/03/13
危険性の判定
妊娠第3期では、幾つかの産科の操作と検査によって胎児と骨盤のユニットを評価する事ができる。
超音波検査
超音波検査を行う事で、胎児自身の発育を判定できる。両側頭頂結節間距離(大横径:BPD)を継続的に算定する事では、胎児の発育の監視には有効である。しかし胎盤の機能不全が生じる時に成長が止まる最終構造は頭部である。それゆえに腹部の周囲長や腹部に対する頭部の割合の測定がより有効かもしれない。超音波は、子宮内の胎児の状態を見ることができ、胎位や状態も確かめられる。これは、羊水量の算定の助けにもなる。超音波診断の正確性は様々で、器具の質、検査技師の技量、胎児の妊娠月齢に左右される。超音波によって胎児の体重を測定しようとする事は、まだ広く受け入れられてはいない。
胎児の呼吸動作は、超音波によって最も容易に判定できる。この点での超音波検査の効果は、著しい変異を明らかにできるという事である。喘ぐような呼吸、胎児期における非常に不規則な呼吸、完全な呼吸停止が含まれる。このテクニックは、まだ十分には評価されてはいないので、その臨床的な価値は限られている。
ドップラー
ドップラー速度分析法では、胎盤における血流抵抗に関する情報を得るために、胎児の臍帯動脈、あるいは母体の子宮動脈で形成されるドップラー波速度を測定する。これは超音波テクニックである。心房拡張期の逆転した流れは不吉な徴候で、差し迫った胎児死亡と関連している。心房拡張期における血流の欠如の重大さは確実でないので、危険差し迫ってはいないのかもしれない。また速度測定法として知られるこの操作は、子宮内での成長遅延、妊娠高血圧、そして他の問題のような胎児と骨盤間の血流問題による悪い結果が胎児に生じる危険性を確認する助けになる。このテクニックは、妊娠における主要な集団検診としては推奨されないが、危険性の高い妊娠の評価のためには考慮する。分娩中の目的は、胎児と胎盤間の(血液)循環における陣痛の影響や産科治療介入を評価する助けになる。このテクニックでは、母児の成り行きについて予言する能力が不明瞭のために、時には不適切な治療介入であると見なされる。
電子機器を用いた胎児のモニタリング
胎児のノンストレス・テストとしても知られている分娩前のモニタリングでは、自然に起きるブラックストン・ヒックス収縮(Braxton Hicks contraction)や胎児の動きに対する心電図の波形を評価する。この操作で、妊娠第3期中の胎児の健康に関する情報が得られる。胎児の動きの存在を示唆している母親に胎児外部モニターを付けて、胎児の心拍数を20~30分間記録する。胎児の心電図の波形は、20分間の観察時間における胎児の動きに対する反応として、1分間に15回あるいはそれ以上の心拍に関して、最低2回の心拍促進があるか、または少なくとも15秒間続くかどうかによって、反応性、あるいは無反応性に分類される。反応性という診断は正常で、胎児が健康であるという徴候である。
ノンストレス・テストは、妊娠最終週においてのみ信頼性があると考えられる。結果の解釈は、幾分主観的であると考えられ、専門家のものとは意見が違っているかもしれない。分娩前のモニタリングは、不規則に間違った結果を生み出す。
胎児の生物物理学的な側面
胎児の生物物理学的な側面(FBPあるいはBPP)では胎児の物理的な機能を評価する。これは、5つの要素から成る:FBPには、超音波精査によって活動中の胎児の心拍数を検査するためのノンストレス・テストが組み込まれていて、胎児の活動、筋の状態、呼吸動作、羊水量の判定が可能である。各々の構成要素は、0、1、2点の点数がつけられ、最も高い得点の合計は10点である。通常、この検査は懐胎期間の後半週に実行される。
陣痛についての教育
陣痛と分娩中の苦痛に関する古くからの恐れを消散させるのは容易な仕事ではない。妊娠に関して最初から知っておくという見地から、全ての健康人は陣痛と分娩は正常な生理学的経過であるという事を強く認識するという意識的な努力をするべきである。カイロプラクティック・ドクターは、この事に関して重大な役割を果たす。
陣痛に関する恐怖の悪影響を排除するために、"自然出産"あるいは"生理学的な出産"の有利な点について力説するべきである。それぞれの親にとって自然出産は多くの様々な意味がある、そして彼あるいは彼女が自然出産について語る時に、患者が探し求めているものを決定する事が重要である。この概念は、恐怖の排除、リラクセーションを促進する運動、筋や呼吸のコントロール、そして恐らく出産教育において、"心と身体は繋がっている"という哲学を美しく修飾するための視覚化やメディテーション・テクニックを強調する分娩前の教育を必要とする。専門家による妊娠と分娩の全期間にわたる抜け目のない管理と母親の安心について熟練を要する出産擁護者が更に必要とされる。
生理学的な現実は、自然出産に伴って大部分の女性は痛みを経験し、全ての出産経験は、出産する母親の数だけ独自のものだという事である。初産婦が出産に関して主観的に想像できる事を詳述するのは事実上不可能である。
出産のための訓練の目的は、女性に陣痛と分娩の準備を行わせて、憂慮や恐れよりも寧ろ知識、理解、自信を持って妊娠の最終点へと向かっていってもらう事である。
自然出産に関する最初の近代的な擁護者の1人はGrantly Dick-Read だった。彼は、"恐怖-緊張-痛み" のサイクルについて詳述し、分娩に関する恐怖が子宮下部の円形の筋における筋線維の緊張を生じさせると仮定した。結果として子宮上部の縦方向に走行する筋群が抵抗を示し、緊張と痛みが引き起こされる。この問題に対する彼の解決法は、母親になる人に情報と安心を与える事で、分娩に関して広く認知されているものを打ち消すというものだった。
ソビエト連邦の Velvovsky と彼の信奉者は、陣痛が生来痛むものであるという事を否定した。生理学者の Pavlov の研究に基づいて、皮質レベルの痛みの経験を抑制する事を意図した1つの訓練方法を完成させて、これは、精神予防性無痛分娩法として知られている。Lamaze法の創始者の LAMAZE は、西洋世界で一番知られた自然出産の提案者である。
出産準備に参加する母親とそのパートナーは、非常に多大な利益を得られる。現在では8段階の呼吸を用いてはいないが、何らかのリラクセーションと自己誘導法は採用している修正 Lamaze 法、Bradley 法や、夫を訓練する出産法、そして「心と身体の結びつき」を用いる「自然出産」として次第に分類されている方法の中のどれを選択するかについては様々である。この指導には最も本能的な心理状態と陣痛と分娩の結果として生じる生理的な状態が含まれているので、出産指導者によって広く伝達されている、そのために好結果をもたらす楽しい出産経験が容易になっている。
経腟分娩の確率と高める
妊娠している患者に対して、好結果をもたらす経腟出産の機会を増すことができる推奨事項は無数にある。
1.良い栄養、ほどよい運動、ストレス管理、母親が最良の健康状態で分娩に臨む可能性を最大にするために薬物と 煙草を避ける事による母体のセルフケア。
2.帝王切開術や感染の割合を下げるべく出産の便宜を図り、"心と身体の結びつき"を含む自立テクニックを用いる
ために妊娠している患者を励ます。
3.健康管理者とともに出産計画を準備し、患者の優先権が尊重されるという事を保証する。
4.患者の意思決定の準備を強調するような出産準備講習会への出席、痛みとストレスを軽減し、分娩過程を促進す
るためには非薬理学的な方法を用いること。
5.薬物治療や処置は正常な分娩の経過を変えてしまうので、その必要性が明らかな時にだけ、それらを用いる。
6.(配偶者の他に)出産中の母親に分娩を補助する人をつける、その人は、母親と親しく、母親にとって重要度の
高いものを理解し、共有している人である。出産指導者あるいは経験豊富な専門的な出産補助者は、しばしば
ドゥーラ(daula)、モニトリス(monitrice)、あるいは出産助手と呼ばれている。これは、多くの農村部や都市
部で利用できる。
7.過去に帝王切開を経験した母親のために帝王切開後の経腟出産を推進している支援グループに参加して、心理学
的な準備と実用的な情報を提供してもらう。
陣痛の促進
陣痛を促進するための助言は、妊娠後期において母親のどちらかに問題が発生した時に始まる。陣痛を活性化する指標は、母体検査、臨床検査を行う事(lab testing)、胎児の健康と成熟度の調査の結果に基づくものである。
陣痛を開始させるための慣習的な根拠は、長引いた妊娠、長く続く胎膜の破裂(long standing raptured menbranes)(36~48時間)、妊娠高血圧(pregnancy-induced hypertension)、胎児が苦しんでいる(distressed fetus)、あるいは健康な発育や成長を継続していない、子癇前症(preeclampsia)、母体の糖尿病、あるいは心臓血管疾患である。これらについて幾つかの状態が予想される、あるいは存在するのならば、母児の精密なモニタリングを勧告する。母指のどちらかの健康が危険に曝されている事が明白ならば、陣痛を活性化させる。
(中略)
多くの母親は、医薬品による誘発方法を使わないで陣痛を促進する方を希望する。そこには陣痛の医薬品による誘発に関連すると思われている危険差違がある。非常に稀に、医薬品による誘発が促進されて、母親の子宮に急激に大きな変化が生じる事があるかもしれない。
出産指導者で理学療法士でもあるSimkinは、医薬品を使わない陣痛促進のための合理的なガイドラインを発表した。彼女は、提案されているテクニックの中の幾つかを試みる前に、産科の健康管理者に相談するように警告している。このテクニックには、30分間から数時間に及ぶ長時間の歩行、指圧、特に内果から四横指上の部位にある"脾臓6(spleen 6)"のポイント(三陰交?)への指圧を10~15秒間続ける。これを3回繰り返す。浣腸を行って腸を刺激する、あるいはプロスタグランジンの産生と子宮活動を増進させるためにヒマシ油を摂る、オキシトシンを放出させるために乳頭を刺激する、子宮収縮を開始させるような子宮でのプロスタグランジン活動のための性的絶頂感、陣痛を促進させる様々なハーブ・ティーやチンキ剤がある。
真性陣痛 vs 仮性陣痛には様々な特徴がある。(表5.5)
陣痛の到来
出産(parturition)は、生育しうる、あるいは死産の胎児の母体生命体からの娩出(expulsion)や分娩(delivery)と定義される。出産での子宮の(変化)段階に関する研究では、フェーズ1は、陣痛(labor)の子宮準備期間と描写されるだろうというもので、その時には自然な陣痛誘発に必要とされる子宮筋層と子宮頸部の機能的な変化が生じる。通常、この段階は、臨床的には子宮頸部の成熟、合理的な無痛の子宮収縮、子宮下部の成熟、子宮筋層の興奮を含む独自の徴候から、妊娠の最終日中のものだと認められている。子宮の平滑筋収縮期間は、フェーズ1の前触れで、フェーズ0の終了であると指摘されている。これには、子宮の平滑筋収縮が穏やかになって、子宮頸部が硬直する時間という特徴がある。この段階は、正常ならば受精卵の着床の前から懐胎期間後期まで持続する。フェーズ0は、自然な刺激に対して子宮を反応させなくして、内容物を空にするような非常に大きな機械的、化学的な難局に対して収縮性の麻痺状態を強いる事で、子宮の潜在力(potential power)を静止(immobilize)させる事によって確立される。
出産のフェーズ0からフェーズ1への移行は、分娩開始(initiation of parturition)と呼ばれる。これは、妊娠後期の時期で、この時には子宮の潜時(latency:組織 [神経・筋などが刺激されてから活動するまでの時間をいう。神経系では刺激部位と興奮する部位が離れているので、その条件に従って潜時は種々に変化する)が妨げられ、陣痛の準備として子宮の収縮能力の回復が促進される。
陣痛の活動期は、フェーズ2に分類され、子宮収縮によって子宮口開大、胎児の下降、分娩が開始される。出産のこの段階は、分娩の第3あるいは第4段階の中に分けられる。この数字は、研究者の事情で変わる。この章では第4段階として述べることにする。第4段階は、分娩後の回復が起きる出産のフェーズ3と同義である。これは、子宮退縮で終わる。胎児の娩出後の6~8週間は、子宮やホルモンの状態から、女性は"分娩後"と見なされるだろうが、筋骨格系を基準とすると、彼女は12ヶ月もの間、本当に分娩後なのである。産後の1年間については、"退縮"の履行能力と母親の正常な生体力学的な構造と機能の維持が絶対的である。
表5.5 真性と偽性の陣痛の違い
真性陣痛 偽性陣痛
規則的な間隔を持った痛み 不規則
間隔が徐々に短くなる 変化なし
持続時間と程度が増強する 変化なし
痛みは背部から始まり、前部へと移動する 主に前部の痛み
歩行によって強さが増す 変化なし
子宮硬化の程度と痛みの強さの間には関連性がある 無関係
しばしば産徴*がある 産徴は無い
子宮頸部の展退と子宮口開大 子宮頸部の変化は無い
先進部の下降 下降は認められない
頭部は痛みの間には固定されている 頭部は自由なままである
真性陣痛は鎮静剤の使用によって停止しない 効率的な鎮静剤で偽性陣痛は停止する
*産徴:分娩陣痛の開始に伴って、出血(血液の混じった粘液状のおりもの)がみられ、これをいう。「しるし」とも言い、陣痛の開始によって子宮口が開大し、卵膜と子宮内面との間にズレが生じて出血する。分娩開始の臨床症状の一つとされるが、前陣痛 (premonitory pains=false pains:仮性陣痛) に際して認められる事も多く、この症状だけで、分娩開始の診断は困難である。
陣痛の長さを予見する事に関して、幾つかの基本的な定義と概念を念頭に置く。第一に産科学における陣痛は、規則的な収縮における進行性の子宮頸部の展退と子宮口開大である。"正常な"陣痛の長さに関する情報の殆どは、Friedman の研究に由来する。それ故、"Friedman曲線" がしばしば参照される。この曲線は、正常の平均ではなく、その限界を制定している。
陣痛の到来の予備(前兆)現象
出産予定日の2~3週間前にライトニングが起きるが、これは、胎児が子宮下部の中で落ち着いた時に、母親が感じる主観的な感覚である。一般に初妊婦では、進入機序は出産予定日の2~3週間前に生じる。また陣痛の前には、膣からの分泌物が増加し、体内水分の排泄によって生じる僅かな体重減少、子宮頸部から粘液性の塞栓の排出、そして産徴がみられる。内診では子宮頸部が軟化し、展退しているのが明らかになる。感染する危険性があるために、最近の産科では、妊娠後期の内診検査の操作が基本的に避けられている。多くの女性は、持続的な背腰痛を訴えるが、偽性陣痛は様々な頻度で起きる。
現代の考えでは、胎児が陣痛の始まる時間を左右するという事を確証している。副腎皮質は、影響を受ける器官が急激に変化する事に関与する。数ある陣痛の原因論に関する他の説の中では、子宮のストレッチ、子宮頸部と子宮頸部や(体腔の)入り口周辺の神経叢における胎児先進部の圧力、苦痛に耐えるホルモンの産生や胎児の分泌を変化させる胎盤の成熟について述べられてきた。
妊娠第3期では、幾つかの産科の操作と検査によって胎児と骨盤のユニットを評価する事ができる。
超音波検査
超音波検査を行う事で、胎児自身の発育を判定できる。両側頭頂結節間距離(大横径:BPD)を継続的に算定する事では、胎児の発育の監視には有効である。しかし胎盤の機能不全が生じる時に成長が止まる最終構造は頭部である。それゆえに腹部の周囲長や腹部に対する頭部の割合の測定がより有効かもしれない。超音波は、子宮内の胎児の状態を見ることができ、胎位や状態も確かめられる。これは、羊水量の算定の助けにもなる。超音波診断の正確性は様々で、器具の質、検査技師の技量、胎児の妊娠月齢に左右される。超音波によって胎児の体重を測定しようとする事は、まだ広く受け入れられてはいない。
胎児の呼吸動作は、超音波によって最も容易に判定できる。この点での超音波検査の効果は、著しい変異を明らかにできるという事である。喘ぐような呼吸、胎児期における非常に不規則な呼吸、完全な呼吸停止が含まれる。このテクニックは、まだ十分には評価されてはいないので、その臨床的な価値は限られている。
ドップラー
ドップラー速度分析法では、胎盤における血流抵抗に関する情報を得るために、胎児の臍帯動脈、あるいは母体の子宮動脈で形成されるドップラー波速度を測定する。これは超音波テクニックである。心房拡張期の逆転した流れは不吉な徴候で、差し迫った胎児死亡と関連している。心房拡張期における血流の欠如の重大さは確実でないので、危険差し迫ってはいないのかもしれない。また速度測定法として知られるこの操作は、子宮内での成長遅延、妊娠高血圧、そして他の問題のような胎児と骨盤間の血流問題による悪い結果が胎児に生じる危険性を確認する助けになる。このテクニックは、妊娠における主要な集団検診としては推奨されないが、危険性の高い妊娠の評価のためには考慮する。分娩中の目的は、胎児と胎盤間の(血液)循環における陣痛の影響や産科治療介入を評価する助けになる。このテクニックでは、母児の成り行きについて予言する能力が不明瞭のために、時には不適切な治療介入であると見なされる。
電子機器を用いた胎児のモニタリング
胎児のノンストレス・テストとしても知られている分娩前のモニタリングでは、自然に起きるブラックストン・ヒックス収縮(Braxton Hicks contraction)や胎児の動きに対する心電図の波形を評価する。この操作で、妊娠第3期中の胎児の健康に関する情報が得られる。胎児の動きの存在を示唆している母親に胎児外部モニターを付けて、胎児の心拍数を20~30分間記録する。胎児の心電図の波形は、20分間の観察時間における胎児の動きに対する反応として、1分間に15回あるいはそれ以上の心拍に関して、最低2回の心拍促進があるか、または少なくとも15秒間続くかどうかによって、反応性、あるいは無反応性に分類される。反応性という診断は正常で、胎児が健康であるという徴候である。
ノンストレス・テストは、妊娠最終週においてのみ信頼性があると考えられる。結果の解釈は、幾分主観的であると考えられ、専門家のものとは意見が違っているかもしれない。分娩前のモニタリングは、不規則に間違った結果を生み出す。
胎児の生物物理学的な側面
胎児の生物物理学的な側面(FBPあるいはBPP)では胎児の物理的な機能を評価する。これは、5つの要素から成る:FBPには、超音波精査によって活動中の胎児の心拍数を検査するためのノンストレス・テストが組み込まれていて、胎児の活動、筋の状態、呼吸動作、羊水量の判定が可能である。各々の構成要素は、0、1、2点の点数がつけられ、最も高い得点の合計は10点である。通常、この検査は懐胎期間の後半週に実行される。
陣痛についての教育
陣痛と分娩中の苦痛に関する古くからの恐れを消散させるのは容易な仕事ではない。妊娠に関して最初から知っておくという見地から、全ての健康人は陣痛と分娩は正常な生理学的経過であるという事を強く認識するという意識的な努力をするべきである。カイロプラクティック・ドクターは、この事に関して重大な役割を果たす。
陣痛に関する恐怖の悪影響を排除するために、"自然出産"あるいは"生理学的な出産"の有利な点について力説するべきである。それぞれの親にとって自然出産は多くの様々な意味がある、そして彼あるいは彼女が自然出産について語る時に、患者が探し求めているものを決定する事が重要である。この概念は、恐怖の排除、リラクセーションを促進する運動、筋や呼吸のコントロール、そして恐らく出産教育において、"心と身体は繋がっている"という哲学を美しく修飾するための視覚化やメディテーション・テクニックを強調する分娩前の教育を必要とする。専門家による妊娠と分娩の全期間にわたる抜け目のない管理と母親の安心について熟練を要する出産擁護者が更に必要とされる。
生理学的な現実は、自然出産に伴って大部分の女性は痛みを経験し、全ての出産経験は、出産する母親の数だけ独自のものだという事である。初産婦が出産に関して主観的に想像できる事を詳述するのは事実上不可能である。
出産のための訓練の目的は、女性に陣痛と分娩の準備を行わせて、憂慮や恐れよりも寧ろ知識、理解、自信を持って妊娠の最終点へと向かっていってもらう事である。
自然出産に関する最初の近代的な擁護者の1人はGrantly Dick-Read だった。彼は、"恐怖-緊張-痛み" のサイクルについて詳述し、分娩に関する恐怖が子宮下部の円形の筋における筋線維の緊張を生じさせると仮定した。結果として子宮上部の縦方向に走行する筋群が抵抗を示し、緊張と痛みが引き起こされる。この問題に対する彼の解決法は、母親になる人に情報と安心を与える事で、分娩に関して広く認知されているものを打ち消すというものだった。
ソビエト連邦の Velvovsky と彼の信奉者は、陣痛が生来痛むものであるという事を否定した。生理学者の Pavlov の研究に基づいて、皮質レベルの痛みの経験を抑制する事を意図した1つの訓練方法を完成させて、これは、精神予防性無痛分娩法として知られている。Lamaze法の創始者の LAMAZE は、西洋世界で一番知られた自然出産の提案者である。
出産準備に参加する母親とそのパートナーは、非常に多大な利益を得られる。現在では8段階の呼吸を用いてはいないが、何らかのリラクセーションと自己誘導法は採用している修正 Lamaze 法、Bradley 法や、夫を訓練する出産法、そして「心と身体の結びつき」を用いる「自然出産」として次第に分類されている方法の中のどれを選択するかについては様々である。この指導には最も本能的な心理状態と陣痛と分娩の結果として生じる生理的な状態が含まれているので、出産指導者によって広く伝達されている、そのために好結果をもたらす楽しい出産経験が容易になっている。
経腟分娩の確率と高める
妊娠している患者に対して、好結果をもたらす経腟出産の機会を増すことができる推奨事項は無数にある。
1.良い栄養、ほどよい運動、ストレス管理、母親が最良の健康状態で分娩に臨む可能性を最大にするために薬物と 煙草を避ける事による母体のセルフケア。
2.帝王切開術や感染の割合を下げるべく出産の便宜を図り、"心と身体の結びつき"を含む自立テクニックを用いる
ために妊娠している患者を励ます。
3.健康管理者とともに出産計画を準備し、患者の優先権が尊重されるという事を保証する。
4.患者の意思決定の準備を強調するような出産準備講習会への出席、痛みとストレスを軽減し、分娩過程を促進す
るためには非薬理学的な方法を用いること。
5.薬物治療や処置は正常な分娩の経過を変えてしまうので、その必要性が明らかな時にだけ、それらを用いる。
6.(配偶者の他に)出産中の母親に分娩を補助する人をつける、その人は、母親と親しく、母親にとって重要度の
高いものを理解し、共有している人である。出産指導者あるいは経験豊富な専門的な出産補助者は、しばしば
ドゥーラ(daula)、モニトリス(monitrice)、あるいは出産助手と呼ばれている。これは、多くの農村部や都市
部で利用できる。
7.過去に帝王切開を経験した母親のために帝王切開後の経腟出産を推進している支援グループに参加して、心理学
的な準備と実用的な情報を提供してもらう。
陣痛の促進
陣痛を促進するための助言は、妊娠後期において母親のどちらかに問題が発生した時に始まる。陣痛を活性化する指標は、母体検査、臨床検査を行う事(lab testing)、胎児の健康と成熟度の調査の結果に基づくものである。
陣痛を開始させるための慣習的な根拠は、長引いた妊娠、長く続く胎膜の破裂(long standing raptured menbranes)(36~48時間)、妊娠高血圧(pregnancy-induced hypertension)、胎児が苦しんでいる(distressed fetus)、あるいは健康な発育や成長を継続していない、子癇前症(preeclampsia)、母体の糖尿病、あるいは心臓血管疾患である。これらについて幾つかの状態が予想される、あるいは存在するのならば、母児の精密なモニタリングを勧告する。母指のどちらかの健康が危険に曝されている事が明白ならば、陣痛を活性化させる。
(中略)
多くの母親は、医薬品による誘発方法を使わないで陣痛を促進する方を希望する。そこには陣痛の医薬品による誘発に関連すると思われている危険差違がある。非常に稀に、医薬品による誘発が促進されて、母親の子宮に急激に大きな変化が生じる事があるかもしれない。
出産指導者で理学療法士でもあるSimkinは、医薬品を使わない陣痛促進のための合理的なガイドラインを発表した。彼女は、提案されているテクニックの中の幾つかを試みる前に、産科の健康管理者に相談するように警告している。このテクニックには、30分間から数時間に及ぶ長時間の歩行、指圧、特に内果から四横指上の部位にある"脾臓6(spleen 6)"のポイント(三陰交?)への指圧を10~15秒間続ける。これを3回繰り返す。浣腸を行って腸を刺激する、あるいはプロスタグランジンの産生と子宮活動を増進させるためにヒマシ油を摂る、オキシトシンを放出させるために乳頭を刺激する、子宮収縮を開始させるような子宮でのプロスタグランジン活動のための性的絶頂感、陣痛を促進させる様々なハーブ・ティーやチンキ剤がある。
真性陣痛 vs 仮性陣痛には様々な特徴がある。(表5.5)
陣痛の到来
出産(parturition)は、生育しうる、あるいは死産の胎児の母体生命体からの娩出(expulsion)や分娩(delivery)と定義される。出産での子宮の(変化)段階に関する研究では、フェーズ1は、陣痛(labor)の子宮準備期間と描写されるだろうというもので、その時には自然な陣痛誘発に必要とされる子宮筋層と子宮頸部の機能的な変化が生じる。通常、この段階は、臨床的には子宮頸部の成熟、合理的な無痛の子宮収縮、子宮下部の成熟、子宮筋層の興奮を含む独自の徴候から、妊娠の最終日中のものだと認められている。子宮の平滑筋収縮期間は、フェーズ1の前触れで、フェーズ0の終了であると指摘されている。これには、子宮の平滑筋収縮が穏やかになって、子宮頸部が硬直する時間という特徴がある。この段階は、正常ならば受精卵の着床の前から懐胎期間後期まで持続する。フェーズ0は、自然な刺激に対して子宮を反応させなくして、内容物を空にするような非常に大きな機械的、化学的な難局に対して収縮性の麻痺状態を強いる事で、子宮の潜在力(potential power)を静止(immobilize)させる事によって確立される。
出産のフェーズ0からフェーズ1への移行は、分娩開始(initiation of parturition)と呼ばれる。これは、妊娠後期の時期で、この時には子宮の潜時(latency:組織 [神経・筋などが刺激されてから活動するまでの時間をいう。神経系では刺激部位と興奮する部位が離れているので、その条件に従って潜時は種々に変化する)が妨げられ、陣痛の準備として子宮の収縮能力の回復が促進される。
陣痛の活動期は、フェーズ2に分類され、子宮収縮によって子宮口開大、胎児の下降、分娩が開始される。出産のこの段階は、分娩の第3あるいは第4段階の中に分けられる。この数字は、研究者の事情で変わる。この章では第4段階として述べることにする。第4段階は、分娩後の回復が起きる出産のフェーズ3と同義である。これは、子宮退縮で終わる。胎児の娩出後の6~8週間は、子宮やホルモンの状態から、女性は"分娩後"と見なされるだろうが、筋骨格系を基準とすると、彼女は12ヶ月もの間、本当に分娩後なのである。産後の1年間については、"退縮"の履行能力と母親の正常な生体力学的な構造と機能の維持が絶対的である。
表5.5 真性と偽性の陣痛の違い
真性陣痛 偽性陣痛
規則的な間隔を持った痛み 不規則
間隔が徐々に短くなる 変化なし
持続時間と程度が増強する 変化なし
痛みは背部から始まり、前部へと移動する 主に前部の痛み
歩行によって強さが増す 変化なし
子宮硬化の程度と痛みの強さの間には関連性がある 無関係
しばしば産徴*がある 産徴は無い
子宮頸部の展退と子宮口開大 子宮頸部の変化は無い
先進部の下降 下降は認められない
頭部は痛みの間には固定されている 頭部は自由なままである
真性陣痛は鎮静剤の使用によって停止しない 効率的な鎮静剤で偽性陣痛は停止する
*産徴:分娩陣痛の開始に伴って、出血(血液の混じった粘液状のおりもの)がみられ、これをいう。「しるし」とも言い、陣痛の開始によって子宮口が開大し、卵膜と子宮内面との間にズレが生じて出血する。分娩開始の臨床症状の一つとされるが、前陣痛 (premonitory pains=false pains:仮性陣痛) に際して認められる事も多く、この症状だけで、分娩開始の診断は困難である。
陣痛の長さを予見する事に関して、幾つかの基本的な定義と概念を念頭に置く。第一に産科学における陣痛は、規則的な収縮における進行性の子宮頸部の展退と子宮口開大である。"正常な"陣痛の長さに関する情報の殆どは、Friedman の研究に由来する。それ故、"Friedman曲線" がしばしば参照される。この曲線は、正常の平均ではなく、その限界を制定している。
陣痛の到来の予備(前兆)現象
出産予定日の2~3週間前にライトニングが起きるが、これは、胎児が子宮下部の中で落ち着いた時に、母親が感じる主観的な感覚である。一般に初妊婦では、進入機序は出産予定日の2~3週間前に生じる。また陣痛の前には、膣からの分泌物が増加し、体内水分の排泄によって生じる僅かな体重減少、子宮頸部から粘液性の塞栓の排出、そして産徴がみられる。内診では子宮頸部が軟化し、展退しているのが明らかになる。感染する危険性があるために、最近の産科では、妊娠後期の内診検査の操作が基本的に避けられている。多くの女性は、持続的な背腰痛を訴えるが、偽性陣痛は様々な頻度で起きる。
現代の考えでは、胎児が陣痛の始まる時間を左右するという事を確証している。副腎皮質は、影響を受ける器官が急激に変化する事に関与する。数ある陣痛の原因論に関する他の説の中では、子宮のストレッチ、子宮頸部と子宮頸部や(体腔の)入り口周辺の神経叢における胎児先進部の圧力、苦痛に耐えるホルモンの産生や胎児の分泌を変化させる胎盤の成熟について述べられてきた。