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小児のカイロプラクティックより(整形外科検査:分娩損傷の際の産科操作)

2019/05/04

分娩損傷の際の産科操作
 現代の産科操作は、分娩損傷の有力な犯人である。鉗子分娩は、長い間無数の外傷性の分娩損傷に関する病因的因子だとされてきた。Shulman達は、鉗子の回転による脊髄切断を報告している。彼らは、頭位分娩での脊髄の切断に関して、最も典型的な障害は上部頸椎に限局され、回転力の結果として生じる事が最も多いと明言している。中程度、あるいは頻繁な鉗子の適用は、鉗子が必要となる胎児の異常のように、胎児の病的状態に関与する事は少ないが、頭蓋骨の陥没骨折、頭蓋内出血は明らかな危険である。
 Laisman と Eastman は、中位鉗子の適用と関連して脳性麻痺の頻度が上昇する事を明らかにした。鉗子の使用と新生児の知能指数( IQ )の低下の間には相関関係があるという、多くの物議を醸し出すような報告がある。(骨盤)出口で産まれた児と比較すると、中位鉗子で産まれた児の知能指数が低いと結論している。Friedman達は、少なくとも7歳までの知能判定について詳述したが、(骨盤)出口で産まれた児と比較すると、中位鉗子で産まれた児の知能指数が低いという結論を下した。高位鉗子操作は、先露部位の進入以前での鉗子使用を意味している。鉗子、あるいは吸引を用いた骨盤高位での分娩は、母体と新生児の両方での重大な障害と関連しているのだろうし、"現代の産科では行われてはいない"。
 吸引娩出器、産科で謂う所の吸盤牽出( bentouse extraction )は、1950年代に再導入されたが、新生児に危険を及ぼさない訳ではない。この分娩法の結果生じた長期間に及ぶ神経学的な孫氏については、文章では証明されてはいないが、頭血腫、頭蓋内出血、皮膚の摩耗といった重大な合併症の危険性が極端に上昇する事については、広く文章で証明されている。ある研究では、これらの合併症は、結果的にそれぞれ25%、12%に起こった。鉗子使用を上回る吸引娩出の理論上の長所としては、(鉗子分娩では)膣内に金属物を挿入される嫌悪感があること、安全な鉗子分娩では胎児の頭蓋上の正確な位置決めをすること、母体の軟部組織を噛みこませること無く胎児の頭蓋を回転させる技術が必要であること、吸引では牽引中の頭蓋への圧迫がより少ないことが挙げられる。これらの器具の使用によって、頭血腫や網膜出血の発生率は上昇するが、柔らかなカップの付いた吸引娩出器は、重篤な新生児障害の発生率の増加には鉗子ほどには関連していない。分娩室?( case room )でよく起こる後遺症は、最初からの吸引娩出器の使用-これは多くの場合に有効ではない、そしてその後の鉗子使用である。産科での鉗子使用を表す"牽引器使用"と危険な軸回転操作によって組み合わされたストレスは、複合的な新生児外傷を余りにも多く生じさせる。
 帝王切開は、未だ産まれぬ児に対して外傷的であるものとして多くの妊娠した患者に受け入れられているが、実際は胎児ばかりでなく母体の健康にとっても重大な病因となっている。帝王切開後は、経腟分娩よりも母体の障害発生の頻度が高く、その程度も重症のようである。手術分娩による母体の障害に関して報告された病的状態は、出血、感染、尿路への外傷である。
 帝王切開による周産期の結果には頭蓋の圧迫骨折、大腿骨骨折、あるいは他の四肢の骨折が含まれる。胎児は、子宮内部への切開中に傷つけられるかもしれない。確かに帝王切開が胎児に外傷を負わせないという保証はない。胎児の脊髄や脳への外傷は、誤って分娩のために適切であると判定されている子宮の小さな横切開創の中に、早産骨盤位の頭部が絞扼された結果として生じる事がある。反復帝王切開では、経腟分娩よりも呼吸危機による死亡率が高いという幾つかの推測がある。切開面や他の状況での子宮収縮によって、新生児の娩出を促進させるために鉗子を用いなければならないかもしれない。鉗子使用に合併する外傷は、この種の分娩に関係しているかもしれない。
 手術分娩に関して引き合いに出される指標には、以前の帝王切開、骨盤位、分娩の進行不全?( failure to progress in labor )、難産、胎児ジストレス(仮死)がある。合衆国では、分娩の進行不全は、帝王切開が正当とされる理由の最たるものである。合衆国では、帝王切開は最も一般的に行われている手術方法の1つである。
 手技分娩によって犯される出産時外傷に関して考えられる推測を無視するべきではない。新生児を娩出させる過程では、両手を使った非常に強い力が使われる事がある。長軸方向の牽引、軸回転、四肢の屈曲・伸展については、同じように侵害的な力が行使される事がある、そして恐らくは、1人分の全体重を梃子として用いる事までも行われる事がある。分娩室?( case room )でしばしば観察されるものには、胎児を娩出する力を増大させるように、医師の両足、両大腿、体幹を配置する事が挙げられる。
 分娩過程中の外傷に関する様々なメカニズムのために、カイロプラクティックを職務とする者の役割は、分娩チームに欠くことのできないメンバーの1人として増々承認されるようになっている。新生児の実際の分娩に関する生体力学的な観察によって、出生時に被る脊柱サブラクセーション複合体に関する臨床的な認知が進んでいる。分娩後すぐに新生児検査が行われた後で、カイロプラクターは、新生児の神経筋骨格系の健康状態を更に確認するために最初に大急ぎで行うカイロプラクティック検査のための機会を持つことを提案している。脊柱や関連外傷のあらゆる臨床徴候を見つけ出すべきで、総合的な検査が推奨される、そしてその際にカイロプラクターは、総合的かつ決定的な役割を果たす。カイロプラクターが出産過程に参加できない時には、新生児は、出生後最大48時間以内に所定のカイロプラクティック検査を受けるべきである。
 出生時外傷については、多くの臨床症状によって立証されている。カイロプラクターは、出生時あるいは産科過程での病因を持つ新生児に決まって見出される状態を予告する徴候と症状について知っておくべきである。

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