小児のカイロプラクティックより(妊娠中の運動)

2019/05/29

妊娠中の運動
 妊娠中の運動を推奨する事は、健康や幸福に付随した事として、最近注目が集まっている事に伴って発展してきている。その効果と危険性の両方は、妊娠中の運動の結果として仮定されてきた。妊娠した患者については、妊娠の段階、各人の妊娠前の運動指数、母親と胎児の最近の健康状態に関して適切に考慮する事で、利益を得ることができる。しかし幾つかの周産期の不運な結果は、運動と関連している;特に内臓床から筋骨格系へと血液を迂回させてしまう事で、胎児の酸素と栄養を奪い、子宮内での成長、あるいは胎児の危難へと至る事がある。
 米国産科婦人科学会( American College of Obstetrics and Gynecology:ACOG)によって発展させられた妊娠中の運動に関する1985年のガイドラインは、健康、低い危険性、出生前の患者のためには余りにも厳格なものだった。最近の研究では、適度な健康維持によって胎児の成長や妊娠に変化を及ぼすこと無しに、母体の新陳代謝や心肺能力を増大させる事ができるという見解を示している。
 妊娠における最初の血液循環運動の変化は、心拍数の増加だと思われる。これは、2週から5週の間に始まり、妊娠第3期に入るまで十分続く。1回拍出量の上昇は心拍数のそれよりも僅かに遅れて起き、その後、静脈血の灌流の増加と全身の血管抵抗性の減少より遅れて妊娠第2期の間中続く。心筋の収縮性は、僅かに増大する傾向にある。
 心臓内での構造的な変化は、妊娠中の拍出負荷に反映され、心臓弁の膨張を増大させ心筋の厚みを増す。妊娠中には血漿量は30~60%増加する。また赤血球量も20~30%増加する。血液量の増加は、妊娠第2期中に急激に生じ、出産予定日が近づくと勢いが衰える。運動中、作用中の筋からの毛細血管圧力の増大の結果として、血漿が毛細血管床から濾され出てくる。正常な妊娠の経過中では、血中乳酸塩の蓄積が始まる時期の最大酸素吸入と仕事率はあまり変化しない。
 酸素消費量は、赤血球数の増加の結果として増大する事があり、これが組織腫瘤( tissue mass )を増加させ、新陳代謝率を増大させる。出産予定日が近づくと母体と胎児の酸素消費は頂点に達し、非妊娠時の値よりは16~30% 以上多いと算定されている。
 一般のレクリエーション運動は、ことによると局所的な血流の減少という間欠的な刺激のために、妊娠中期の3ヶ月における胎盤容積の成長率を増大させる。更に妊娠中期や後期に健康維持を基準として、あるいはそれ以上の段階で健康な女性がレクリエーション運動を行うことは、普通であれば胎児の心拍数の上昇と関連している。運動の間の減少した血流の徴候によって胎児への酸素供給が低下する可能性が示唆される、そのために妊娠後期の肉体的な活動によって胎児の心拍数はより受けるであろう。母親の運動は出生時の体重、新生児の体長、胎盤の大きさには影響しないということ、そのために妊娠中の運動は胎児の成長には有益でも有害でもないようだと述べられた事がある。
 要約すると、然るべき注意と熟慮が行われるのであれば、母親の運動による胎児への影響から、肉体的な活動が禁じられる事は無いようである。

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