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PAACニュース192号:慢性的な機械的頸部痛患者の頸椎スラスト・マニピュレーション後の頭頸部の運動感覚感受性、広範囲の圧痛感度、頸部痛の変化:無作為化臨床試験

2020/01/11

要約
目的:今回の無作為化臨床試験の目的は、機械的頸部痛患者の頭頸部運動感覚、疼痛、疼痛関連の身体障害、圧痛感受性について、頸椎スラスト・マニピュレーションや偽マニピュレーションの効果を検証するというものである。
方法:頸部痛のある54人を、(右か左の)頸椎マニピュレーション、あるいは偽マニピュレーションを受けるように割り当てた。即座の効果には、関節位置覚誤差( joint position sense error:JPSE)として評価される頸椎運動感覚と圧痛閾値( pressure pain thresholds:PPTs)が含まれていた。1週間の時点で、( numerical pain rate scale:数値化疼痛評価尺度での)頸部痛強度と(頸部身体障害指数:neck disability index:[NDI]による)頸部痛関連身体障害の結果についても収集した。
結果:共分散に関する混合モデル分析によって、回旋と伸展における関節位置覚誤差(JPSE)については、頸椎スラスト・マニピュレーション・グループが有利になる有意なグループ ✕ 時間の相互作用が明らかになった。またC5からC6と前脛骨筋の圧痛閾値の変化についても有意な相互作用が見られた。1週間後の追跡調査では、前の週にみられた休息時の頸部痛、最悪の疼痛、最小の疼痛ではなく、頸部関連の身体障碍について、有意な相互作用が見られた。
結論:我々の結果から、頸椎スラスト・マニピュレーションによって、慢性的な機械的頸部痛患者の関節位置覚誤差( JPSE )、圧痛閾値( PPT )、頸部身体障害指数( NDI )が改善するという事が示唆されている。更にこれらの結果判定法については、JPSE と NDI における変化は大きく、発表された最小の検出可能な変化を上回っている。それに加えて、PPTs のエフェクト・サイズは中程度だったが、C5からC6の関節突起間関節だけは、最小限の検出可能な変化を上回っていた。対照的に、頸椎スラスト・マニピュレーションでは、治療介入1週間後では、頸部痛強度は改善しなかった。( J Manipulative Physiol Ther 2018;41:551-560)
検索キーワード:頸部痛;疼痛;マニピュレーション;脊椎


                                     
    
                 中部頸椎(C3とC4)のスラスト・マニピュレーション   



 

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