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PAACニュース200号:動的疲労手順の際には、Ⅱ型糖尿病患者に健康人よりも大きな易疲労感がみられる。

2023/08/16

要約
目的:今回の研究では、Ⅱ型糖尿病(type 2 diabetes melitus:T2DM)と健康対照群の間で、生体力学的マーカー(即ち血中乳酸塩)と共に、筋疲労に関する筋電図(EMG)指数を調査することを目標とした。第二に、これらの患者について、筋疲労に関する筋電図(EMG)と血中乳酸塩を検証することを狙った。
方法:34人の被験者が今回の研究に参加した:19人がⅡ型糖尿病(T2DM)(年齢53.5±6.85歳)と年齢が適合した15人の健康対照群(年齢50.2±3.55)。被験者は、10回だけ反復できる最大負荷で、5セットの反復動的疲労手順を行った。動的疲労手順の際に、内側広筋と外側広筋の表面筋電図を記録し、5セット全域で各々の収縮に関して、中央周波数(medium frequency:MF)、MFの傾き(MF slope)、ディミトロフの筋疲労スペクトル指数(Dimitrov muscle fatigue spectral index)といった筋電図指数や二重平均平方根を算定した。この疲労手順の際には、血中乳酸塩濃度についても3回算定した。
結果:MF、MF slope、ディミトロフ筋疲労スペクトル指数を明らかにした所見は、内側広筋(P<.001)と外側広筋(P<.001)の両方について、(疲労手順の)セットとその反復の全域で、Ⅱ型糖尿病患者 vs 健康対照群では大きく変化した。Ⅱ型糖尿病患者では、健康対照群よりも大きな血中乳酸塩の上昇が見られた(P<.001)が、これが筋疲労に関する筋電図指数の変化と関連していると明らかになった訳では無かった。
結論:Ⅱ型糖尿病患者では、健康対照群よりも有意に大きな股関節伸筋群の疲労が示唆されている。(J Manipulative Physiol Ther 2021;44:205-220)
検索キーワード:真性糖尿病;Ⅱ型、筋力トレーニング;筋電図
 

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